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メキシコ・ロックとウッドストック

メキシコ・ロックとウッドストック

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 1月中旬から、映画『ウッドストックがやってくる!』(アン・リー監督)が東京地区で公開された後、全国公開となる。ウッドストックの影響は日本ではフジ・ロックなどに顕著にみられるわけだが、メキシコでは即時的な影響を受け、いわゆるロック・エスパニョール史のなかで特筆されることになる。
しかし、この国のロックは1968年、メキシコ・オリンピック直前に起きたメキシコ市中における血の弾圧「トラテロルコ事件」によって封殺され、まともな活動はできなくなるという自由社会ではまったく異例の歴史を刻んだ。
 映画『ウッドストック~』はメキシコでも公開され再び、メキシコの最初の野外ロックフェスとして社会史にも記載される「アバンダロ」が蘇生して語られている。
 ウッドストックは1969年、アバンダロは71年9月11~12日の2日間にわたって、メキシコ市郊外のブラボー渓谷のアバンダロ湖畔で開かれたので、その名がある。この野外フェスには延べ6万の入場者があったと記録されている。ウッドストックの影響を受けた海外のロックフェスとしてはもっとも早く準備され、かつ規模の大きなものとしてロック史に記載されてよいものだ。
このフェスに参加していまも現役で活動しているのはエル・トリのアレックス・ロラとそのメンバーだけだろう。ロック・メヒカーノの重鎮あると同時に、メキシコ・ポッスの生き字引だ。
 トラテロルコ、現在「三文化広場」として観光の名所になっている。高層の集合住宅に囲まれた広場でもある。ここで、いまだに犠牲者の数が判明しないほど大量虐殺がおこなわれたのだ。しかも、オリンピック取材のために同地を訪れていた内外のマスコミ陣が多数市中にあるときに起きた。それでもメキシコ政府は国際的な批判にさらされることはなく、オリンピック委員会も感知せずという態度で開会式を迎えた。現代なら考えられないことだが、実際にそういうことがあった。日本のマスコミ陣も多数、陣取っていたはずだが報道はされなかった。
 その事件の後、メキシコのロックは氷河期を迎える。
反体制的な音楽として自己規制され、ミュージシャンはゲリラ的に倉庫などでコンサートを開くというようにして生き残りをかけていた。しかし、ロックを氷付けにすることは時代に反することだった。事件の翌年に行われた国境の向こうのウッドストックは氷を溶かす媒介となった。そして事件から3年後、アバンダロが開催され、ここで名実ともにロックも豊潤なメキシコ大衆音楽の重要な構成要素になってゆく。身銭切って活動していたアレックス・ロラも参加した。
 ウッドストックは米国ではベトナム反戦などと結びついた“事件”として語られるが、内外に与えた影響も大きいのだ。メキシコは、その最大の受益国だったと思う。

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