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ピアソラとフィギュア・スケート

ピアソラとフィギュア・スケート

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 台湾の台北市で行われた4大陸フィギュア・スケート選手権で、日本の高橋大輔選手がアストル・ピアソラの組曲「ブエノスアイレスの四季」のなかの「冬」で演技して優勝した。最近では、ヴィヴァルディの名作『四季』への20世紀の応答曲といった見方までされるようになったピアソラの代表曲のひとつだ。ヴィヴァルディのヴァイオリンが、そこではバンドネオンになるわけだが、キドン・クレーメルなどはヴァイオリンへの変奏で作品の解釈を広げている。
 ここ数年、フィギュアの世界でピアソラの曲が採用されることが多くなっている。いや筆者だけが気付かないことで、そういう傾向はずっとつづいているのかも知れない。テレビで実況されるファイナリストだけで、ピアソラが目立つくらいだから、予選段階でも多くの選手が試技曲として採用しているのか分からない。
おそらく、軽快な流動性をもつ「リベルタンゴ」や、カディンツァの部分で競技用に活かせる効用をもつ「アディオス・ノニーノ」あたりはもう定番ではないか。台北の大会でも、高橋選手の他に、米国の選手だったか、ピアソラの「ブエノスアイレスのマリア」で試技を終えた選手がいた。
タンゴ特有のリズムがフィギュアそのものにあっているはずだ。しかし、ピアソラの曲が採用されるのはタンゴのリズムが理由ではないだろう。タンゴなら昔から世界中で愛聴されていたし、名曲にも事欠かない。しかし、タンゴが目立つということはなかった。たぶん、ヨーヨー・マが「リベルタンゴ」などを名演してから、各国の選手が取り上げるようになったと思う。
ピアソラのタンゴには、たぐいまれな個性が宿っている。それは憂愁であり、悲哀の調べでもある。華やかなリズムの根底にはさまざまな感情が伏流している。そういう幾層にもかさなるピアソラ音楽がフィギュア競技に求められる芸術性へ貢献している、ということだろう。
 また、ピアソラの音楽を知らない観客、テレビの視聴者が、「あの魅力的な曲の題名は、作曲者は」とあらたなファンを作っていることもあるだろう。現にトリノ・オリンピックで優勝した荒川静香さんの演技曲「トゥーランドット」がプッチーニの歌劇の曲だとはじめて知った日本人はとても多かったと思う。なんでも荒川選手が金メダルを獲得した直後から着メロのダウンロード件数は異常なほど増えたということだ。
良い音楽の底力というものはカテゴリーを超えて影響し刺激しあうものだ。高橋選手の華麗なスケーティングを観戦しながら、そんなことをつらつら思った。

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