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イマジン「七夕コンサート」2011*今年はラテンテイスト

 イマジン七夕コンサート2011

 毎年、律儀に7月7日に固執してコンサートイマジンが企画・提供している「七夕コンサート」。今年も賑々(にぎにぎ)しく開催。今年はなぜか濃いラテンテイストだった。
 これまで同コンサートは同社の主要部門であるところのクラシック奏者が、少し肩の力を抜いて楽しもうというサロン的内容で、演目もセミ・クラシックへ傾斜、というプログラムだった。ところが今年は何故かラテンベースのトラディショナル。
 第1部でギターを日本でアカデミックに修得後、なぜか飛んでペルーへ。アンデスの村々を訪ね歩き民俗音楽を採集し、同国メジャー・レーベルから10枚のアルバムを発表した笹久保伸という男がいた。その笹久保のギター・ソロと、ケーナ、サンポーニャ奏者を交えての合奏からはじまり、2部でロマ(ジプシー)出身のクラシック・ヴァイオリン演奏家ゲザ・ホッス=レゴツキが、もうひとつの顔、ロマ音楽家として民俗音楽を演奏する際、手勢としている音楽集団Geza & ザ・5・デヴィルズを率いて、中東欧の大地に育まれたツィンバロンの音色を背に奔放な演奏を聴かせてくれた後、わが小松亮太率いるオルケスタ・ティピカがたっぷりとタンゴを堪能させるという嬉しい内容だった。
 笹久保のギターにはじめて遭遇。彼が弾く『コンドルは飛んでゆく』の音色は、「ペルーの調弦で弾く」とのこだわりをみせ、なるほどという感興をステージから送り出した。サイモン&ガーファンクル以来、日本人の耳に馴染んできた同曲のメロディは西欧的にソフィストケートされたもので、ラテンの音楽家たちもいつしかケーナやサンポーンニャを使ってもS&Gの親しみやすさに傾斜して演奏することが多い。日本の繁華街や駅頭でペルーあたりからの出稼ぎ街頭芸人たちが演奏する『コンドル…』もまぁたいていS&G調である。
 しかし、笹久保はペルー人以上のこだわりで密度の濃くコンドルを山間へ飛翔させていた。山肌と山肌を行き交う山彦の連鎖のように笹久保のギターは濃密な芳香を放っていた。
 geza.jpg
ゲザたちの演奏もまた濃密。純粋なロマ音楽は2曲ほどで、ジョン・ウィリアムスの映画音楽『シンドラーのリスト』のテーマ音楽や、ブラームスの定番『ハンガリア舞曲第5番』、そしてモーツァルトの『トルコ行進曲』という内容。なかでもゲザたちの実力と遊戯性、そしてテクニックが象徴されたのは『トルコ行進曲』。出だしでいかにもとロココ・モーツァルトという音色を聴かせた後、破調・変調・飛躍し下降しとさんざん民衆酒場のフロアでもて遊んだあげく、また何事もなくロコロ調に戻って終息させる心憎さにこのグループの手練の軽快さ、悪巧みをみたと思った。
 小松亮太社中の演奏は批評耳を捨て、ひたすら堪能させてもらった。 ▼東京・サントリーホール、7月7日。

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