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ハイチの大震災を忘れないための映画『ミラクルバナナ』

ハイチの大震災を忘れないための映画『ミラクルバナナ』

ミラクルバナナ
 東日本大震災後、そのほぼ一年前にカリブの小国ハイチの首都を襲った大震災のことは、たいはんの日本人の視野から消えてしまったはずだ。仕方ないことともにいえるが関心だけは失って欲しくないと思う。
 いまも数万の市民が劣悪な環境で暮らしている。西半球の最貧国といわれたハイチが自力で再生、復興できるほどの力はない。現にブラジルを中心に現在も多くの国が再生に向けた努力をしているが、見通しは暗い。
 日本からあまりにも遠く離れた小国だから情報も極端に少ない。で思いだした映画がひとつあった。2年前に書いたエッセイが出てきたので、ここに掲載しておきたい。すでにDVDになっておりレンタルしているので是非、観て欲しいと思う。ハイチの大震災を忘れないためにも。
   
  *    *    *

 中米グァテマラ、メキシコと一三年、暮らしてきた。その間、ラテンアメリカ諸国を繁く旅をした。けれど行きたい、彼の国の人と触れ合い人情、機微に接したいと思いながら未だ果たせぬ国がある。ハイチ。
 「輸出品は解剖教材の死体だけ」とまで比喩された極貧国。カリブ海にあってキューバ島に次ぐ大きなエスパニョーラ島の西部に位置する。一度、東部のドミニカからバスを乗り継いで国境を越えようと思ったが果たせなかった。陸路が可能ならバスか徒歩で国境を越えたい。人為的な国境ひとつで激変する異相は空からでは実感できない。
 そのハイチを舞台に日本で映画が作られた。『ミラクルバナナ』という。困難な政情にある国をモノトーンの色調で撮るのは容易だが、向日的なハイトーンで描くのは至難のこと。それを錦織良成という若い監督が実現させた。
 まがまがしいヴードゥー教が闇を支配し、悪辣な独裁者が民衆の生殺与奪を握る国というキーワードで欧米の映画制作者はハイチを描いてきた。西アフリカの精霊との交感を起源とするヴードゥー教を邪悪視するのは欧米人が途上国を見下す視点だ。錦織監督は何処に生きようが人間の生活には喜びも笑いも、そして涙も怒りもある、という単純明快な真理でハイチを見つめた。
 そんなハイチにも捨てるモノがある。収穫した後のバナナの太い茎。その茎から紙ができることを知った日本の女の子が悪戦苦闘の末、ハイチの子どもたちと紙漉きに成功するという爽やかな青春映画でもある。
 カリブではすでにジャマイカで商業化に成功したバナナ紙だが、ハイチではまだ商業化に至っていない。
 私が暮らしていた中米のカリブ沿岸地帯にはバナナ農園が広がる。そこの農民はみな貧しい。子どもたちも学校で使うノートに不自由する。そんな子どもたちが自分たちで紙を漉けたら、なんてハッピーなことではないか! 映画で実際、こどもたちが紙を漉く。材料づくりと手順を覚え、紙の厚さを気にしなければ、出来る! 外務省が海外公館に配布する現地語字幕付き映画の一本に推薦したい。熱帯の途上国で歓迎されるはずだ。もし、その国の人たちが映画をみて挑戦したいという意欲を示したとき、できるだけの援助をする。技術援助は地元のやる気がなければ成功しない。映画は、そのやる気を引き出す活力があると思う。

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