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トリオ・ロス・パンチョス① 名籍争い

トリオ・ロス・パンチョス① 名籍争い

全盛期のロス・パンチョス
 メキシコのCD屋さん、なるべく庶民レベルが利用する店に行くと、その品揃えが多い、となるのが往年の名曲を集めた多種多様の廉価盤。なかでも目立つのがトリオ・ロス・パンチョスの復刻盤だが、新作とおぼしきも盤もある。
そう、かつて日本でも一世を風靡したロス・パンチョスは名籍を継いだ子、自称・後継者たちによってパンチョス節そのものは健在なのだ。
 年に一度、マリアッチの聖地といわれるメキシコ市中ガリバルディ広場近くの大衆音楽の殿堂バランキータ劇場で、「トリオ音楽の夕べ」というイベントがあって、そこでもトリを勤めるのが何代目かのロス・パンチョスだ。トリオ音楽の夕べであるからロス・パンチョスだけではない。これまた何代目かの跡目をついだロス・トレス・アセス、ロス・ダンディーズといった面々が登場して往年のヒット曲を披露するのだ。そして、数日に渡る、その夕べはなかなかの入りとなるのだ。年輩者だけなく、けっこう若い人もいる。
 ……とこんなことを書き出したのも9月、またぞろと言うかロス・パンチョスの“正当性”を言い募る、要するに跡目争いがまた表明化していることを知ったからだ。それは繰り返されている欲ボケのようなものだ。
 現在、もっとも有名な(という言い方もおかしいが)ロス・パンチョスはガブリエル・ガビー・バルガスをリーダーとするトリオで、バランキータ劇場のステージに上がるのは、このトリオだ。これに対抗するのがロス・パンチョスのオリジナル・メンバーのクチョ・ナバロの流れ汲むトリオ。「アスタ・マニャーナ」「ウナ・コパ・マス」「ライジィート・デ・ルナ」といった名曲を作った才能だ。一方、バルガスはオリジナル・メンバーのアルフレッド・ヒルの継承性を主張する。ヒルもまた「カミネモス」「シン・ウン・アモール」「ソロ」といった名曲を送り出した才能だ。
 トリオ音楽は現在、郷愁を誘うものとして、それなりの存在理由があるだろうが、この時代にふさわしい新しい工夫があるわけでもなく、創作もほとんどない。しかし、その名はまだ売れるのだ。一時期、ボリビア出身のメンバーが加わっていた時期があるが、そのメンバーの子だったが、やはりロス・パンチョスを名乗って廉価盤のアルバムを制作したことがあったと思う。そんなふうに、まだ国境を越えて商売になってしまうところが名籍争いのまたゾロと頭をもたげてくる起因だ。しかし、要は芸である。実力の世界ではないか。“血”の正当性を主張するより実力で勝負し、名籍を引き継ぐのが筋というものだろう。そういう緊張感もなくなったところにトリオ音楽の衰退があったのだ。(2010・10)

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