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映画『キリマンジャロの雪』のロベール・ゲディギャン監督

社会の基本は人の繋がり、と教えてくれる
映画『キリマンジャロの雪』のロベール・ゲディギャン監督

 東日本大震災の後、「絆」という言葉がさかんに飛び交った。いまも各所に「絆」の文字が掲げられているが、褪色しはじめている。人の「絆」は1年で希薄になるものではないが、マスコミが主導した「絆」は拙速のシステムだったか、と再考させてくれる映画が『キリマンジャロの雪』だった。来日したゲディギャン監督にインタビューする機会をもった。


 映画の主人公ミシェルは定年を間もなく迎える港湾労働者。EUのなかでも経済的な疲弊度が小さいといわれるフランスだが、企業は生き残りを掛けてリストラをつづけている。ミシェルの職場でも数名を解雇することが労使交渉で決まった。組合はクジで解雇者を決めることになった、そのクジ引き役を引き受けた。そして、自分で外れクジを引いてしまい自ら解雇する。
 「私は労働現場を描くことで世代間の確執を取り上げたかった。リストラされる人間をクジで決める行為は平等ではない。労働者の生活条件がほぼ同じなら公平かも知れないが、定年間近で年金も保障されるミシェルと、働きはじめて間もない非熟練で低賃金の若年労働者とは釣り合いは取れない。現在、フランスでは若者の賃金はみな低く親世代に喰わしてもらっている層が多い。若者はプライドを奪われている」
 ミシェルとともに解雇された青年の一人は再就職もままならず幼い弟二人を抱え、たちまち貧窮。そして、不良仲間の口車に乗って強盗に及ぶが間もなく逮捕されてしまう。兄を突然、失った弟たちは保護施設に送り込まれることになるだろう。そんな子どもたちの姿をみてミシェルは自責の念をおぼえる。
 「労働組合は少なくともフランスでは会社との交渉だけに存在するものではなかった。戦争反対、福祉の向上などを掲げて闘争したヒューマニズムの拠点だった。私は初老のミシェルにその精神を甦らせたかった。人の絆の大切さをね。」
 ミシェルとその妻は、刑務所に入った青年の弟たちを引き取り育てることを決意する。無論、そこには葛藤の日々、周囲の無理解などがあるわけだが……。
 「いま、フランスは大統領選挙の渦中だが、社会党のオランド候補が勝利するでしょう。日本とどうようフランスでも市場経済で人の絆が希薄になった。資本主義の行き詰まりは目に見えている。富を公平に分配するシステムが地球規模で求められている。オランド政権下で国も少しは変わるでしょう。」
 監督は大統領選挙に控え、映画でオランド候補を支持した。昨年、本作はフランスで半年以上も上映され300万を越える観客を集めた。その観客の大半がオランド候補に票を投じただろう。キリマンジャロの雪

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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。
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