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赤道(エクエーター)原則*リオ+20以降

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)主催シンポジウム
リオ+20の成果と持続可能な社会構築のための民間資金・民間金融のあり方

 世界的な経済不況のなかで発展途上国の貧困削減、開発援助など資金提供する政府開発援助(ODA)が縮小するのに反比例して、民間資金の流れが急増している。この資金は銀行が事業に関わる企業に融資することによって成立している。この民間金融の社会的役割などを討議するシンポジウムがNGO「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の主催で2月18日、東京・水道橋で行なわれた。

 主催のNGOは1992年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットを契機として、市民の立場から環境問題に積極的に取り組んでいこうと93年に設立された市民団体。現在、日本政府から途上国に向かう開発援助資金の使われた方、また、国内の大量生産・消費・廃棄を見直すための政策提言を行なっている。
 今回のシンポジウムは、政府開発援助(ODA)の約8倍に膨らんだ民間資金の影響、現状報告を主に銀行の活動を通して明らかにし、銀行の社会的責任を検討しようと企画されたもの。政府関係者、事業者、国連関係者など日常的に環境問題と取り組む人たちの発言は現場感覚に裏打ちされ示唆に富むものだった。
 
 まず、政府の立場から外務省国際協力局参事官の南博氏が、「リオ+20の合意・日本政府の取り組み・民間資金への期待」と題して現状を報告した。
 南氏は、リオの地球サミット以降の日本政府の関わりを振りかえりながら、いま討議されている問題として、「革新的資金メカニズム」を重点に発言した。

 「世界的な経済不況のなかでODAが縮小していくなかで欧州を中心にさまざまな持続可能な援助資金づくりが模索されている。たとえば国際便の旅客運賃を課税対象とした航空連帯税、国境を超えて行き交う金融商品や、金融取引きを課税対象とする新税の創設だが、現在まで実現したのは航空連帯税だけで、フランスや韓国など10カ国程度に過ぎない。その税の使途もエイズ対策基金にほとんどで限定されたものだ。航空会社はいずれも経営が厳しい。運賃にはね返る新税の導入に反対するのも当然で、導入国がなかなか増えないのが現状だ。国境を超えて行き交う金融商品の売買を課税対象とするにも各国の思惑があって、なかなかまとまらない」と厳しい状況が報告された。

 南氏が紹介した国境をまたぐ新しい税制の創設は今日、「国際連帯税」として語れることが多いが、日本では広く認知されていない。知られていないところで増税となる税制改革は社会的な賛同を得られない。政府の広報活動が求められるだろう。

 つづいて、事業者の立場から三菱東京UFJ銀行で融資先の事業内容を環境保全、人権擁護などの観点から精査するストラクチャードファイナンス部プロジェクト環境室上席調査役の千吉良久暢氏が、「持続可能な社会構築のための民間金融の取り組み」と題して、現在、世界33カ国、79銀行が参加する「赤道原則」の現状について、同行の事業への関わり方を通して発言した。
 「赤道原則とは、銀行が環境破壊等につながるような開発事業への融資を防ぐために設けた国際協約で世界の主要銀行が加盟する。日本からは当行を含め3行が参加しているが、アジアからの参加は日本の他に中国の1行しかない。経済成長著しい東アジアの銀行の参加が少なく、赤道原則に拘束されない銀行が営業活動を有利に展開できるといった経営上の問題も浮上している」とし、アジアから多くの銀行が参加しないと赤道原則も地球規模で機能しないことが示唆された。

 「持続可能な社会構築のための民間資金・民間金融の役割と課題」と出して発言した末吉竹次郎氏は、ながく銀行に勤務された後、国連環境計画金融イニシアティブ特別顧問として地球大で活動されている人だ。
 末吉氏は、銀行の社会的問題、公的責務が強く求められていることを強調した。「これまでの銀行事業というのは、預金者の金をどのような企業に貸付け、その企業が環境を破壊するようなことがあっても、銀行が責任を問われることはなかった。しかし、いまは、そうした事業に融資した社会的に責任が強く求めるようになった。それが赤道原則に反映している。さらに、銀行に集まる金は国民のもの、社会から与えられたもので、社会を良くするために使う義務が銀行に託されている、価値観の変換が求められている。個々の預金者は銀行の融資先が、環境を破壊する開発事業を行なっていないか、情報を開示させる権利がある。米国のシティバンク銀行は、サンフランシスコの預金者の発言によって、融資先の問題を告発され社会的責任を問われた。銀行は融資先の事業を環境保護などの立場から審査機能を強化することは、社会を守るために必要な機能となっていかなければいけない」と強調した。

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