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インド映画『恋する輪廻』の女性監督ファラー・カーンさん

インド映画『恋する輪廻』の女性監督ファラー・カーンさん


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 インド映画の生産拠点ムンバイ(旧ボンベイ)を称して“ボリウッド”という。ハリウッドに匹敵する製作本数を誇るからだ。年間約1000本の映画が量産される。大半が大衆向け娯楽映画。しかし、女性監督して成功したのは現在、只今、ファラー・カーンさん、ただ一人だ。

 インド映画『踊るマハラジャ』が日本で大ヒットして以来、ボリウッド産ミュージカル映画が公開されはじめた。それまでインド映画といえばサダジット・レイ監督の『大地のうた』三部作など、インドの貧困、社会矛盾を批判的に見つめる作品しか知られていなかった。けれど、生活が厳しければ娯楽に笑いを求める。日本だって同じだった。敗戦直後から映画制作は復活し、テレビがお茶の間の主役になるまで娯楽映画が量産された。筆者が生まれ育った川口市に最盛期には7館ほど映画館があったはずだ。
 近年、IT産業を中心に急速に経済力をつけブラジルとならぶ"明日の大国”といわれるインドだが、民衆の大半はまだまだ貧しい。そんな民衆が乏しい財布のなかから入場券を買い求めて入る映画館は、日常の生き難さを忘れる空間でなければいけない。映画は愉しくおかしく歌あり踊りあり、かつ色彩豊かであり、美男美女が主役。さらに勧善懲悪であらねばならない。娯楽の要素に一つでも欠けてはいけない。

「わたしが将来、社会的なテーマを取り上げることがあっても娯楽映画の枠組みで製作するわ」
 とカーン監督は明快に言い放った。本作もまた、美男美女の恋物語が歌あり踊りありで語りつくす徹底的なサービス精神にあふれる。

 「インド映画100年の歴史はいつの時代も大衆を楽しませることに徹してきたのよ。それがインド映画の伝統。わたしは、その歴史にたまたま女性として加わったに過ぎないわね。女であることで不利益なことは一切なかったわ、そりゃあ、わたしも3人の子の母親ですからね、その制約はあるわ。でも、それを苦とは思わないわね。思ったら、やっていなしね。仕事は夕方まで終わらしたいとか、長期間の撮影にならないようには努力しているのが主婦で母親のわたしよ」

 インドのミュージカル映画を観ていていつも感じる疑問をこの際、とぶつけてみた。
 歌のシーンがふんだんにあり、その属性としてダンスがあり、衣装が何着も替えられてゆく、そう1曲のなかで。それが違和感なくリズミカルに流れてゆく。

 「本編とは別に歌のシーンは別に詳細なシナリオを書くのよ、私は。編集者はそれにそって仕事をするだけ、他の監督作品より、わたしの映画の編集のほうがラクなはずよ、わたしの指示通りにやっていればできるのよ。わたしはもともと振付から映画づくりに入っていったからダンスのシーンはこだわりがあるの。衣装デザインもダンスの邪魔にならないようにアイデアをデザイナーに伝えて作っています」と事もなげに答えた。

 インドのミュージカル映画はみな3時間前後の長編。本作もまた169分だが、テンポの良さ、リズミカルな展開に監督の高度な職人技が窺がえる。「ところで楽しんで戴けたかしら?」と質問された。

 「えぇ主演女優のディーピカー・バードゥコーンの美しさに見惚れているうちに映画は終わりました」
 と答えると、カーン監督、莞爾(かんじ)と微笑んだ。 

 インタビューのあいだ、スナック菓子を食べ続けていたカーン監督でもあった。残念ながらダンサー時代の曲線美は喪失したようだ。

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