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映画「よりよき人生」セドリック・カーン監督

フランス映画「よりよき人生」セドリック・カーン監督
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 アメリカイズムの美点を、誰でも同じようなチャンスが与えられるという平等「神話」で飾ってきた。
 タレント性豊かな者には通用するだろう、チャンスがあれば。チャンスとは稀少の機会をいうものだ。めったにナイ、ということだ。だいたい貧しい者は出発からして大きなハンディがある。在りえない平等だから「神話」なのだ。
 世界に伝播した米国流ネオリベラリズムは、その不公平さを露呈させた。本作はフランスにおける厳しさを、レバノン移民の母子と、失業中のフランス男でシェフを目指すヤン青年(ギョーム・カネ)を主人公にして描く。
 失業して金のないヤンと、レバノン移民で低賃金のウェイトレスとして働くシングルマザーのナディア(レイク・ベクティ)が知り合い恋に落ちれば、そこにドラマが生まれるのは必然というものだ。そのあたりは予定調和なのだが、フランス社会の厳しさはふたりを国外まで追い詰めてしまう。
 ヤンは偶然、発見した森の中の廃屋を小さなレストランに改造し、みずからオーナー兼シェフとして働くことを決意。ヤン35歳の一か八かの賭け。自己資金はゼロ。複数の銀行から金を借りリボリング払いにした。しかし、店の改装などでたちまち資金が尽き、返済に追わサラ金に手を出し、はては多重債務となった。生活の歯車は完全に狂った。もがけばもがくほど追い詰められる。やがて、ナディアはカナダに職を求めて消える。移民の立場はヤンより弱い。やがて、ヤンも逃げ出すように祖国を後にして、ナディアを追う。
 本作では経済難民とは途上国だけの問題ではなく、いまや先進国の貧困層も襲いはじめている現実だと、教
えている。カナダにはフランス語圏のケベック州があるから同化も容易だし、かつての植民地帝国のなごりで世界各地にフランス語社会がある。こうしたフランス語圏を指してフランコフォニーといったか。
 日本だって多くの若者が貧困に喘ぎ、彼らの労働環境は劣悪な状況にあるはずだ。けれど、海外に日本語圏と呼べような地域はない。外になかなか出られない分、前途に悲観する若者の自殺が多い、ということになるのだろう……と思う。

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