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花持つ女 NO6 石井幹子 照明デザイナー

花持つ女 NO6 石井幹子
照明デザイナー(1938~)

 この人の名を知らずとも、その「作品」を夜毎、愛でている人は多いはずだ。
なかには石井の「光」のしたで愛を語らい恋が成就したというカップルも多いはずだ。その影響は末代までつづくということだ。
 東京タワー、横浜ベイブリッジ、東京港レインボーブリッジ、姫路城、いまなら雪景色のなかに浮かぶ合掌造白川郷……東京駅レンガ駅舎のライトアップ。石井“光の魔術”である。石井はそれを光が生み出した新しい景観として、「創景」と呼ぶ。
 東京駅舎が今日のように修復され文化財として遺されたのは石井のお陰である。
 レンガ駅舎をすべて取り壊し、高層ビルを建てようという計画があった。それを止めるために光を使って、レンガ壁の美しさを自前で「創景」してみせた。光の美しさを言葉でいくら説明しても半分も感得されない。石井は、じっさいに「創景」し、その光の美で政治家たちを説得した。そして、レンガ駅舎は今日のように遺されることになった。そんな話が多い。
 東京タワーは夏と冬では照明が違う。季節感になじむ工夫がされている。そればかりではない。資源小国のデザイナーだ。あの照明に使われる電力コストはパリ・エッフェル塔の2分の1だ。そういう工夫も石井ならではものだ。白川郷のような世界遺産の照明では、機材を保存景観のなかに露呈することはできない。そこで照明器具を景観のなかに隠している。
 石井は谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の影響を受ける。しかも西欧の照明デザイナーの多くが谷崎の日本美論を“教科書”扱いしていることを知り、和の美を再発見する。
 石井の夜景は谷崎の愛でる陰翳の美なのだ。
 お台場に集う若者は、和の美が秘められていることを知らずにレインボーブリッジを美しいと言い、クリスマスイブのひとときを過ごす。若者もまた日本人の遺伝子を受け継いでいる。
 石井の「創景」の基層はけっきょく日本人らしい審美眼への愛着なのだ。

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