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早稲田大学・日本女子大学室内合唱団*第54回定期演奏会

早稲田大学・日本女子大学室内合唱団*第54回定期演奏会

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 11月25日、小雨が風に舞いながら降ってくるという寒い夜、護国寺の東京カテドラル聖マリア大聖堂で「早稲田大学・日本女子大学室内合唱団*第54回定期演奏会」を聴いた。高校時代、北関東でも有数の合唱部の部長を勤めていた経験のある友人に誘われたからだ。

 年2回、同合唱団はここで定期演奏会を開いてる。教会の椅子は基本的に木製だから長時間座っていると腰の骨が疲れる。熱心なファンも多いようで、周囲を見回すと簡便な座布団持参の観客が多い。なんとなくアットホームな雰囲気がよい。こうした常連の観客によって演奏家は育てられゆくのだ。

 1960年に室内楽的アンサンブルと合唱芸術の融合を目指して結成された合唱団だが、最初はあらゆるジャンルの曲に挑戦していたというが、63年からルネサンス・バロック時代の作品に特化して演奏技術を向上させてきたようだ。大学合唱団としては目指す方向を微動させなかった音楽集団だ。このあたりは現代の大合唱芸術の高みに向かって高層ビルを構築しつづけている東京工業大学混声合唱団コールクライネスの志向性に通じる。

 25日の演奏は、ヴェネツィア生まれ、バロック音楽爛熟期の作曲家アントニオ・カルダーラの「ミサ・ドロローサ」と、ヘンデルの戦勝賛歌曲「デッティンゲン・テ・デウム」。前曲はいかにもスコアのすみずみまで時代の雰囲気がたちこめているミサ曲。宗教曲だが、軽やかで甘美な旋律が随所に出てくる世俗的な雰囲気に満ちた作品。教会をステージとした娯楽といっては語弊があるけれど、プロテスタント教会との差別化に音楽を活用したのではないかと思わせるようなミサ曲であった。
 ヘンデルの曲、教会での演奏より王宮の式典会場にふさわしい作品。「メサイア」を完成させたヘンデルにとって、こうした戦勝賛歌曲を書くことなど朝飯前の余技のようなものだろう。ゆとりがある分、華麗で豪奢でもある。「水上の音楽」に通じる色彩感にあふれている。この曲にバロック・トランペットが登場する。同定期演奏会に通いなれたひとには当たり前のことなのだろうが、トップ男性に加え、ふたりの女性奏者がいることに筆者は何気に感心してしまった。まだ、音にふらつきがあるけれど難易度の高い長尺トランペットの響きは当夜の華のひとつであったように思う。

 合唱曲2題であったが、筆者は室内楽の演奏ばかり聴いていたようだ。公演後、友人との話は微妙に食い違ってしまった。楽しみ方はひとそれぞれである、と居直ってみた。

 ……しかし、聖マリア大聖堂での演奏というのはどうだろう。石造り教会堂での残響を求めて、ここを主会場に選んだようだが、ここは石造りというよりコンクリートの地肌をいかした戦後建築の傑作であって、求めようという音はここではないのでは。会場の広さも考慮されているのだろうけど、求めるなら神田ニコライ堂が都内ではもっともふさわしいように思う。ただし、ニコライ堂ならラフマニノフの正教会用の声楽曲が求められようか……。

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