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映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』 ステファニー・アルゲリッチ監督

映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!」
   ステファニー・アルゲリッチ監督
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 アルゼンチン出身のマルタ・アルゲリッチ、現代クラシック音楽世界にあって女性では内
田光子と並ぶ偉大なピアニスト。16歳にして2つの世界的コンクールで優勝、しかも数日
のあいだにそれを成し遂げた強心臓、そして美少女であった。爾来、彼女は王道を闊歩す
る。24歳でショパン・コンクールに優勝したときは、すでに未婚の母であった。
 監督の名を注視されたい。そう監督はアルゲリッチの三女である。
 三人の娘は皆、父親が違う。「学校に行くのは止めなさい」、個性を潰すわ、と喝破する
母を娘ステファニーが妥協なく撮った評伝〈母〉であり、稀有な芸術家の魂を探る旅となっ
ている。イサム・ノグチの母も、「学校」否定派だった。芸術的感性を押しつぶす場でしかな
い、と。
 天才を母にもった子どもの苦悩、ツアーで不在がちな母という存在を受け入れた子どもた
ちの証言。監督ステファニーはふたりの姉にも語らせ客観性と批評性を高める。実の娘た
ちによって自らの母性が暴かれるシリアスな物語でもある。中国系米国人との間にうまれ
た長女リダは、母の愛をほとんど受けずに託児所で育った。しかし、リダはけなげにも率直
に“偉大”な母を仰ぎ見るように育ったようだ。彼女はやがてヴィオラ奏者になる。はなやか
なヴァイオリンを選ばず縁の下の力持ち的ないぶし銀の輝きを持つヴィオラを自己表現の手
段としたリダに愛惜の情を感じる。
 アルゲリッチにとってはけっこう辛らつな描写もあるが“偉大な芸術家”は取り戻せない真
実として受け入れ、監督にいっさい口を挟むことなく公開となった。アルゲリッチの住む場の
磁場は異次元なのである。

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