スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ロス・ミセリア 貧困者たちのクンビア

グァテマラ(中央アメリカ)
 ロス・ミセリア 貧困者たちのクンビアLos_Miseria_Cumbia_Band-lanzamiento-segunda_produccion_PREIMA20140930_0032_32.jpg


 南米コロンビア出自のクンビアは、その汎用性の高さ、豊かさ、そして簡素なバイブレーション・リズムとしてラテンアメリカ諸国はもとより米国南部のテハーノ・ミュージシャンたちにも取り上げられている。夭折したテハーノの女王セレーナのベースもクンビアだった。
 中米グァテマラは隣国エル・サルバドルと並ぶクンビア大国。多くのクンビア・バンドが雨後の筍のように出ては消える。そんななかで首都グァテマラ・シティを中心に長年、倦まず活動する男性4人組のロス・ミセリア・クンビア・バンドが元気だ。その名も直訳すれば「貧困者クンビア・バンド」となる。
 中米でもニカラグアあたりと肩を並べる貧困国に相応しい命名だが、音楽そのものが“貧困”なわけではない。
 9月、10曲の新作で組んだアルバム『ラ・クンビア・ポプラール』を発表、それに先駆けて制作したのが収
録曲の「チチャロン・コン・ペロス」のビデオ・クリップ。今日的なレゲトンの味をクンビアのリズムで挟み込む。
 グァテラマ・シティにも欧米資本の巨大スーパーマーケットが幾つも存在する。その威容は、日本の郊外に散在するものと変わらない。しかし、ロス・ミセリアの面々がロケーションに選んだのは庶民街の各所に鎮座する、まったくもって非衛生的、ハエは乱舞し、家禽の血が床を流れるような、廉価だけが取り柄のメルカド(市場)。この国で最下層に位置づけられているマヤ系先住民の女性たちが民族衣装で売り手となり買い手となっているような光景が自然と捉えられている。
 歌のタイトルにある「チチャロン」とは豚の皮を高温の油であげたものでグァテラマに限らずメキシコ及び中米では大衆食材として一般的なもので、好みのサルサで味付けして食する。「コン・ペロス」とは“毛混じり”ということだが、それは豚の毛が完全に取り払われていない上等なものではないということだ。歌は、それもわれわれの嗜好だ、好みだ、安くて美味と語っているわけだ。そのビデオ・クリップには美女の変わりに肥満のおばさん、美男の変わりに冴えないおじさんたちが登場する。ロス・ミセリアの面々もけっして見栄えよくない。グァテマラならどこにでも見かける兄ちゃんおじさんたちだが、庶民性を貫くという姿勢は強固なポリシーだろう。

 グァテマラのクンビアは母国コロンビアの熱帯コスタ、ペルーのアマゾン流域の町イキトスを発祥とする濃密で質感と比べると軽く、隙間感がある。その軽さはたぶん長い内戦を生き抜いてきた大衆には慰安を与えたのかも知れない。その軽さは同じように激しい内戦を耐えた隣国エル・サルバドルにもいえる。
 ロス・ミセリアたちはアルバムの発表と同時にコンサート活動も活発化させているようだ。今後も庶民の心意気を歌いつづけて欲しいものだ。
        

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

上野清士

Author:上野清士
店長の最新著書

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。