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ラテングラミーの主要賞をを独占するか? カジェ13

ラテングラミーの主要賞をを独占するか? カジェ13

Calle 13

 11月20日、米国ラス・ベガスで開催される第15回ラテン・グラミー賞の候補作が9月下旬発表された。その主要各部門にプエルトリコの新鋭カジェ13が登場、衆目を集めている。最優秀アルバム賞、最優秀歌唱賞などだ。
 今年は2月に急死した不世出のギターリスト、パコ・デ・ルシアの遺作『カンシオン・アンダルサ』や、メキシコ系米国人でメキシコの俗謡を独自の解釈で歌いつづけてきた女性歌手リラ・ドーンズの来歴そのものを収録した熟成の傑作『ライス』など注目作が並ぶなかでカジェ13の『ムルティビラール』が最優秀アルバム賞に顔を出している。最優秀歌唱はなんとキューバの吟遊詩人シルビオ・ロドリゲスと共作した歌「オホス・コロール・ソル」が候補作として顔を出している。
 カジェ13は2009年にも主要5部門で受賞するという快挙を成し遂げているということで、今回のラテングラミー賞において、賞の獲得個数において新記録を達成するか、という話題もある。
 その勢いはメンバーのレネ・ペレス、通称レシデンテが米国籍を離脱、プエルトリコ「国籍」を拾得したいという政治的メッセージを昨年暮れに鮮明したことに象徴されているように思う。
 米国生まれのプエルトリコ人で米国で活動する歌手、俳優は大勢いるわけだが、プエルトリコ市民権を獲得したいと宣言すること自体、それは大きな政治的なメッセージになる。
 事実上、米国自治領であるプエルトリコには「国籍」は存在しない。もし、米国籍と放棄すると米国で働けなるばかりか、プエルトリコですら働けない。レシデンテもそのことを理解した上で言っているわけで、それはプエルトリコで半数を占めるといわれる独立派への連帯表明となるだろう。「国籍」宣言は政治的なプロバカンダなのだ。
 これまでカジェ13は、キューバのシルビオだけでなく、パナマのルベン・ブラデス、メキシコのカフェ・タクーバ、コロンビアのシャキーラなどとのコラボレーションを実現している。ラテン音楽にあっては皆、「超」のつく大物である。そして、社会的なメッセージを発することで著名な歌手たちだ。
 たとえば、彼らの代表作「ラティーノアメリカ」にはペルーの国民的な歌手であり、コスタ地方のアフロ系市民の精神的な象徴でもあるスサーナ・バカが登場するが、そこに込められたメッセージ性は、かつて1992年のコロンブスの「新世界」到達を記念してルイス・ミゲルが歌った「アメリカ、アメリカ」より濃厚なアメリカイズムがこめられたものだ。
 ルイスの歌には祝典歌としての品格と壮大なドラマ性がこめられていたが、カジェ13のそれはあくまで下から目線のものだ。ヒップ・ホップの規範ともいえるが、歌詞はけっして品格のあるものではないし、間接話法もなく直情的でもある。その分、訴えようとしていることは明確だ。
 1992年の「500年」祭からすでに22年、いっこうに改善されないラテンアメリカの先住民の人権状況、あいかわらず米国に吸い上げられる冨、そして米国に向かう不法越境者の群れ……カジェ13は現実を直視せよと今日も懸命に訴えている。その懸命さがノミネートの多さに繋がっていったように思う。 

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