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花もつ女たち No28  お葉(永井カ子ヨ)モデル(1904~1980)

花持つ女
 お葉(永井カ子ヨ)モデル(1904~1980)
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 「お葉」とは竹下夢二がつけた名、当時の感覚ではいわゆる源氏名。その夢二の名作といわれる黒猫を胸に抱いた女性を描く「黒船屋」のモデルがお葉。「宵待草」など夢二絵に繰り返し登場し当時、素性は知れずとももっとも有名な日本女性のイコンとして巷間に知れわたった。
 そのお葉が、夢二に見初められる以前、責め絵画家として一世を風靡した伊藤晴雨のモデルを務めていた。いまふうにいえばSMのM女モデル。
 あらためてお葉の略歴などを調べると12歳のときには東京美術学校などでヌードモデルを職業としてはじめていることを知る。いまでいえば中学生か。晴雨のモデルになったのも、その頃で、15歳で夢二と知り合うまで勤めている。今日、晴雨絵もすっかりメジャーになってしまい秘画めいた気配も薄れた。
 しかし、現代でいえば女子中学生に過ぎない年齢の少女が〈性愛〉の秘儀、妖艶ともいえる絵のモデルをこなしていたことに驚嘆する。
 夢二も晴雨もいわゆるアカデミックな画家でなく大衆嗜好の絵師だが、明治洋画史に名を残す藤島武二もお葉を選んだ。中国服姿の令嬢像「芳恵」はあまりにも有名だ。
 モデルは可変体。画家、彫刻家、写真家、あるいはファッションデザイナーたちの恣意でいくらでも変容させられる。しかし、その要請に十全にこたえ、表現者に仕事をよくさせるのは、豊かな感性だろう。
 晴雨に「妖艶」、夢二に「感傷」、武二に「気品」、これすべて10代の少女お葉の仕事であったことに今更ながらに驚嘆する。
 いまモデルを生業とする女性はあたまいるけれど、お葉を超えるモデルはまだ出ていない、としか言いようがない。
 晩年は佳きお婆ちゃんとして平穏に過ごしたと評伝は書く。

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