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花もつ女たち №31 マイラ・アディル・ローガン(心臓外科医・米国)

花持つ女
 マイラ・アディル・ローガン(心臓外科医 米国)1908~1977

 女性初の心臓外科医。そして世界で9番目に心臓手術を執刀した医療の先駆者であり、女性では始めての人である。その人は南部アラバマ州出身の黒人女性であった。
 心臓への執刀がもっとも至難だから、それに敬意を払って「心臓外科医」と書いたが、評伝を読めば、女性の肺結核を早期発見するための研究や、抗生物質に関する研究にも大きな業績を遺していることを知る。
 インターン時代、彼女はニューヨークのハーレムにある病院で緊急医療に携わっていた。貧しい黒人たちが瀕死の状態で夜ごと運び込まれるという施設のなかで一晩中、手術台に立ちつづけた、ときに赤ん坊を取り上げる産科医ともなった。要するにハーレムの貧窮という実情が彼女を待ったなしで、あらゆる症状に対処しなければならない医師に鍛えた。そこに彼女の知見を拡張した。そして、その時、無給であった。日本流にいえば、ひげのない“赤ひげ”か……。自身が黒人に対する差別が根深いアラバマの出身者という自覚もあったに違いない。
 そうした日々のなかで執刀中に間断なく求められる決断力が鍛えられ、それに比例して執刀の手業も鍛錬されたのだろう。それがやがて心臓外科医としての名声をもたらす腕が磨かれたのとは確かだ。
 女性で黒人であったため彼女の名声はひとり医療界に留まらず、社会性を帯びることになった。彼女もまた自分の立ち位置を自覚し、求められるまま身体のゆるす限り社会的献身を惜しむことはなかった。
 たとえばニューヨーク州無差別雇用対策員会、家族計画協会、全米黒人援護協会医療協議会等々……それはけっして名誉職というものではなかった。いずれも社会的影響力をもつ重い仕事だった。
 今日の米国にあっても黒人で女性で心臓外科医という存在は珍しいことなのだ。   

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