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チョコレートの苦い話

チョコレートの苦い話
(4年ほど前に書いたものだが、本ブログに掲載していなかったので採録)
カカオ アフリカ児童労働

 今年もまたバレンタイ・デーということで幾つかの義理チョコがそれぞれ趣向を凝らした容器に袋、そしてリボン付きでやってきた。いくつかはホワイト・デーということでなにがしかの返礼をしなければいけない。返礼はチョコレートでなくても良いようだが、それを考えるのもまた煩わしい。

 日本におけるチョコレートの販売総額は4000億円といわれる。このうち約4分の1がバレンタイン・デー需要ということだ。菓子業界にとって欠かすことのできないイベントになっていることが分かる。

 チョコレートの世界的普及に多大な貢献をしたのは無論、スペインである。トマトやじゃがいも、サツマイモ、あるいはトウモロコシと同じように原産はメキシコ以南のラテンアメリカの地。
 エルナン・コルテス率いるスペイン征服軍がメキシコ中央高原に君臨するアステカ帝国を滅ぼしたのがことがきっかけでヨーロッパに知られるようになった。チョコレートの名はアステカ帝国の公用語ナワトル語チョコラテがスペイン語に流用されたことによる。

 アステカ帝国の貴族たちが愛飲していた液状のものが起源。現在でもメキシコでは街頭で売られている。これがスペインを通じてヨーロッパに入り、やがて固形化され、砂糖を大量に混入することによって今日、世界中で好まれる嗜好品となた。
 現在のカカオ生産の主力はメキシコではなく西アフリカの沿岸諸国。日本に入ってくるカカオの80%はガーナ産。日本のチョコレートに「ガーナ」と冠した銘柄があるのはご存知の通り。第2位は南米のベネズエラとなっているが、その量は10%に過ぎない。日本のチョコレートはガーナによって支えられているわけです。
 もっとも最大のカカオ生産国はおなじ西アフリカのコートジヴォアールで世界の40%を生産しているといわれる。カカオの生産に特化したモノカルチャー経済の国だ。サッカー強国のカメルーンもまたカカオに特化した国。いずれも旧宗主国はフランス。つまり西アフリカ諸国のイビツな経済構造は植民地時代にフランスが押し付けたものだ。フランス帝国主義の罪はいまだに根強く尾をひいている。
 チョコレートには大量の砂糖が必要だ。
 その砂糖の一大生産地がカリブ海のキューバでありハイチ、南米のブラジルなど。つまり、チョコレートとはコロンブスの“発見”によってはじまる大航海時代の象徴的な産物というわけだ。
 アメリカ大陸やアフリカの大半がイギリスやフランスなど西欧の植民地となったためモノカルチャーが横行し、それぞれの栽培農作物が廉価になったためにチョコレートは世界に流布できたのだ。
 廉価ということは、それに携わる労働者たちの賃金が安いということだ。だから成人男性より、なんの技術ももたない少年たちが駆り出されている。
 チョコレートの原料となるカカオ栽培は西アフリカの貧しい少年たちの労働によって担われている実態は知られていない。約30万の子ども達が一日12時間以上の長時間労働に苦しんでいるといわれる。
 チョコ特有の芳しい苦味も、アフリカの少年たちの低賃金労の苦悩の味だとしたらバレンタインなどと浮かれてはいられない。チョコの販売が伸びたところで少年たちの賃金があがるわけではないのだから。
  
 先年、東京・六本木の美術館で現代美術のイベントとして「チョコレート」というのがあった。その企画展のこともどこかに書いたのだが現在、所在不明。能天気な日本の現代アート作家たちがチョコレートの可変性を駆使して、都市空間に相応しい造形作品を出品しているなかで、外国からの招待作品として西アフリカのカカオ畑ではたらく少年労働をドキュメントした写真のシリーズがあった。その1枚に、
 「一生に一度、ぼくはチョコレートをたべてみたい」とのキャプションがあった。
 少年は自分たちが収穫するカカオが「チョコレート」という美味なお菓子となるらしいことしか知らない。手にしたことはおろか目にしたことすらないのだ。日本で百均シッョプで無造作に並んでいるチョコレートも西アフリカの少年労働者たちには高嶺の花なのだ。 

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