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ジョーン・バエズ、メキシコへ“里帰り”

ジョーン・バエズ“里帰り”公演
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  最近のジョーン・バエズ

 ジョーン・バエズといえば“フォークの女王”として1960年代後半から70年代前半、日本でも多くのファンを獲得し、彼女の影響下から加藤登紀子や森山良子といった才能が発掘されたのだった。
 いまでも彼女の透明感に満ちた、癒し系(といった形容は当時なかったが)の声で歌われた「ドナドナ」「朝日のあたる家」、ボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」は日本では当時、バエズの歌でよく聴かれていたと思う。そのディランの才能を認め、自分のステージに上げて紹介したのもバエズだった。 
 そのジョーン・バエズのメキシコ公演が“里帰り”というと読者は奇異に思われるかも知れない。
 日本ではほとんど語られることはないが彼女はメキシコ系米国人なのだ。父親はスペイン陶器の影響を受けたタラベラ焼き、その陶製のタイルで外装された美しい町並みを持つプエブラ市の出身だ。町の中心部、旧市街がユネスコの世界遺産に登録されている美しい町だ。
 父親アルベルト・バエズはメキシコでも原子物理学者として著名で、特に社会運動家としても知られている。それは自らの才能を軍需産業への協力を宗教的理由で拒否したからだ。そのアルベルトの両親がメゾジスト派の敬虔な信徒だった。詳しい話は伝わっていないがカトリック宗派で占められているメキシコにあっては、その信仰を貫くことは困難だったのだろう。両親は、国境を超えテキサス入りし、やがてニューヨークに辿り着き、そこでアルベルトが生まれた。そうした祖父母、父親をもったジョーン・バエズが長じて、ベトナム反戦、公民権運動に関わり、特に米国南部メキシコ系の移民農業者たちの組合指導者セサール・チャベスとの連帯活動に参加したことなどは必然的な活動だったのかも知れない。
 日本では知られていないがジョーン・バエズはメキシコの代表的な俗謡「ラ・ジョローナ」、チリの民謡歌手ビオレッタ・パラの代表曲「人生よありがとう」なども録音している。
 当然、4月1日のメキシコ市中メトロポリタン劇場を埋めた聴衆の前で披露した。
 今年、73歳となった彼女の声はまだ艶を失わず、気品に満ちたメゾソプラノは健在だった。日本ではすっかり忘れた存在となってしまったが、彼女が歌いはじめてから訴えつづけてきた反戦、民族融和、貧困問題など遠大なテーマであるがゆえ到達点のみえないものだ。だから、歌える限り、普遍的な人類愛をいまも訴えている。
 メキシコ公演では 日本のわれわれにもおなじみの初期の代表作はもとより、ジョン・レノンの「イマジン」もバエズ流の解釈で歌いあげた。  (2014・4月記)

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