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伝説の歌手ロラ・フローレスの娘たち

伝説の歌手ロラ・フローレスの娘たち

LOLA FLORES
*写真はロラ・フローレス

 スペインの歌手ロラ・フローレス(1922~1995)といえば、かつて日本の美空ひばりに匹敵する人気・実力を兼ねそなえた大歌手であった。フラメンコのカンテの影響を色濃く残したスペイン大衆歌謡コプラに独自の世界を築いた。
 ただ、美空ひばりと違ってロラは3人の子を遺した。2女1男。男児アントニオは早世してしまったが、娘ロリータ、ロサリオはスペインはいうに及ばずメキシコを中心に現代的な感覚を捉えたポップス歌手として活動しつづけたが、ふたりは自立心が強く姉妹仲良く仕事をするという場面はみられなかった。
 9月初旬(2014)、米国マイアミでふたりが一緒に制作したアルバム『ロサリオ・エス・ロサリオ、イ・ロリータ・エス・ロリータ』の発表が行なわれた。ふたりとも1970年代から歌手活動を開始しているが、こうした共同制作ははじめのこと。活動初期の揺籃期には共演といったこともあったかも知れないが、お互い個性的な仕事をはじめてから同じステージあがることもなかった。そして、同アルバムを最後に、「また一緒に仕事をすることなんてないわね」と確言し、「でも、アルバムはとても良いできよ」とセールスだけは忘れなかった。こうした彼女たち自身の仕事の発表の場でも記者から偉大な母に関する質問を受けることは避けられない。それは彼女たちの宿命のようなものだろう。
 ただ、スペインでは当然、彼女らのラテンアメリカ諸国でもロラ・フローレスの名と歌、あるいは彼女が主演した映画などを回顧するとき、人はみなフランコ将軍独裁下のスペインを思い、スペイン市民戦争の暗い影を思い出したりする。
 スペイン映画のいまや"巨匠”となったペドロ・アルモドバルなどは自作の映画のなかでフランコ時代の雰囲気を伝えるため、象徴的にロラの歌を流してみたり、彼女のポスターをなにげなしに街頭に張り出して記号化している。フランコ独裁時代を知るスペイン人にとってはそれだけで万感の思いを投げかける手法としている。ロラ・フローレスの歌はおおいに暗い独裁下の庶民を慰めはしたが、どうじに独裁時代を思 い出させもするのだ。彼女の歌のなかに青春の思い出を刻んだりしている世代はいまも廉価版のCDで再発売されるフローレスのベストアルバムを購入しているようだ。
 そういう偉大な母をどうみていたか娘ロリータ、ロサリオの心情は本人のみ知る世界で、マイアミでの記者会見の場で、母のことを問われるままに語ることはあっても、それが本音とは思えない。そう彼女たちは母国スペインでは暮らさずマイアミを活動拠点とする。
 マイアミ住まいをしているスペイン人歌手にフリオ・イグレシアス、その息子エンリケや、アレハンドロ・サンスなど多数いるが、彼女たちが母国に戻らない理由には母の面影に対する何かがあるはずだ。

 ラテンアメリカにあって市民戦争の勃発と同時に共和派を支援し、内戦がナチ・ドイツ、ムソリーニのイタリアの支援を受けたフランコ将軍側の勝利 に終わると、メキシコは先頭にたって難民となった共和派のひとびとを積極的に受け入れ、戦後も反フランコ派としての姿勢を明確にした。内戦で孤児となった子どもたちをミチョアカン州に大量に引き取り育てたメキシコでもあった。そんな反フランコの雰囲気が強いメキシコでロリータとロサリオはラテンアメリカにおける活動の中心地としてきたのだった。
 現在、ロリータ54歳、ロサリオ48歳、母を超える歌手とはならなかったが、母を意識しつつ独自の世界を築いてきた二人の歌はこんごも熱い支持をメキシコを中心にラテンアメリカ諸国のファンは送りつづけるだろう。 

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