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スペイン領内の英国領土ジブラタルの紛争

スペイン領内の英国領土ジブラタルの紛争

 地中海と大西洋をつなぐ海の要衝ジブラタル海峡の存在は誰でも地理の教科書で知るところだが、そこに6・5Km2の英国領が300年間も存在していることは意外としられていない。いま、この小さな地を巡ってEUを巻き込んだ騒動が起きている。
ジブラタル  ジブラタルの恒久的支配を想定していると思われるジブラタル通貨。エリザベス女王の肖像を刻みつけるのは英国植民地における常道だ。

 10月22日(現地時間*2014)、英国ジブラタル自治政府が北アフリカのアルジェリアからポルトガル経由で海を埋め立てるため約二五〇〇トンの石を運び込み、あたらな紛争に発展しそうな気配だ。
 スペイン・イベリア半島南東端、ジブラタルの地は1713年から英国の支配下にある。英国が海外にいまだ維持する14の海外領土のひとつだ。スペイン王位継承戦争の講和の際、結ばれた1713年のユトレヒト条約で英国領有が決まった。それから300周年を迎え、スペインとしては今年を返還への道筋をつくる年としたかった。
 しかし、英国は、そんなスペインの思惑をあしらうように恒久的支配を企図してか、ジブラタル空港の海に7月、コンクリートブロックを埋めて人工の環礁を造った。スペインはこれに抗議し、漁民から漁場を奪い、環境も破壊したとしてEU本部を巻き込む騒動となった。
 スペイン政府は英国のジブラタル領有は陸地に限られたものであって領海の使用は認めていない、という立場だ。現に国際的なインターネット辞書ウィキペディアは、「領海0」と記載されている。
 スペインは対抗措置として国境通過税を徴収、スペイン国内に住むジブラタル出身者に対する脱税調査などを実施等、国内法の整備で圧力を掛けられる手段を講じている。むろん、そうした措置に英国は反発し、EU域内の自由な移動を保障するという原則に反していると抗議する。
 騒動から紛争に拡大するのを恐れたEUはスペイン、ジブラタル自治政府、英国の各政府が話し合いの席に座ることを求め、実効ある解決策を講じるべきという姿勢だったが、そんなスペインの妥協的姿勢を冷笑するように、石材を運び込んだ英国に対し強行姿勢を取らざる得なくなるだろう。
 大戦中、ジブラタルを軍事要塞化したことによってドイツ海軍は著しく作戦行動に難をきたした。「地中海の鍵」と呼ばれるのは、そうした軍事的な要諦の地だからだ。
 英国がジブラタルをみすみす手放すことはないだろうし、南大西洋上にアルゼンチンと戦火を交えた離島フォークランド(スペイン語名マルビナス諸島)の領有権問題も抱えており妥協しにくい立場にある。また国内的には英国は北アイルランド問題だけでなく、スコットランド独立問題を抱え、スペインにはカタロニア州やバスクの独立問題が頭痛の種だ。そうした動きを抑制する意味でも小さな領土ジブラタルは、国内の民族主義運動の推移に影響を与えかねない大きな問題なのだ。
 ギリシャの経済問題だけでなく領土紛争もまたEU分裂の火種となりうる。

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