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竹島と日本人~猟師・中井養二郎/2月22日、「竹島の日」には中井翁の継承を

竹島と日本人~猟師・中井養二郎 
  2月22日、「竹島の日」には中井翁を継承せよ

*下記の文章は、2013年1月に書いたものだ。本日2月22日、「竹島の日」をめぐるさまざまな報道を目にして、にわかに拙稿のことが思い出された。転載しておきたい。

りゃんこ島  中井翁が自ら手書きして農務省に提出した「りゃんこ島図」


 明治末期、島根県隠岐島周辺でアシカ猟を営んでいた猟師に中井養三郎(1864-1934)という人がいた。当時、アシカの皮と油が珍重されていた。このアシカの猟場が当時りゃんこ島と呼ばれていた現在の竹島であった。中井はアシカの乱獲を恐れ、資源保護を訴え1904(明治37)年7月、農務省水産局に「りゃんこ島領土編入並に貸下願」を、中井自ら手書きした「りゃんこ島図」とともに提出した。これが、現在の日本政府による竹島領有県主張の有力な根拠となるものだ。

 当時のりゃんこ島、竹島は毎年5月頃になると数千のアシカが繁殖のために集まってきた。このアシカに目をつけて猟をはじめたのが中井である。日本沿海だけに棲息したニホンアシカという固有種である。
 日露戦争前の時勢がアシカの皮と油を高騰させ、それまで中井の独壇場であった竹島のアシカ猟にあらたに参入する猟師が増え乱獲をはじめた。
 それまで資源保護のために牝や子に手をつけなかった中井だったが、新規参入者たちは短期間の利益を求めて見境ないのない猟を行なった。そこで中井は自らの独占的権益と資源保護を考え、さらにそうした保護を有効にするためにはいまだ領有がはっきりしていない、りゃんこ島を日本領土として正式に認め、政府は内外に領有権を宣言しろ、と訴えた。それが日露戦争開戦の年であった。
 当時、りゃんこ島と呼ばれていたのは、1849年、フランス船リアンコールトの船員が小島の連なりを発見し船名を取って「リアンコールト列岩」と名づけたことから始まるといわれる。この名称の変遷には多くの資料があるが、ここでは中井の事跡にそって紹介するに留める。
 中井は島根県所属隠岐島司・東文輔の紹介状をもって農務省を訪れ、「貸下願」を提出するが当初、相手にされなかった。内務省、外務省にも日参、陳情をつづけたが功を奏さなかった。その中井の「貸下願」を海軍省水路部が関心をもった。アシカ猟ではなく領土編入そのもに関心を持ったのだ。
 避けがたい日露との海戦の主戦場を日本海と想定する海軍省として無関心ではいられなかったからだ。東郷平八郎司令長官率いる連合艦隊がロシア・バルチック艦隊を迎え撃ち勝利したのは翌年5月、竹島の西南沖のことである。
 1905(明治38)年、中井の「貸下願」は、「北緯三十七度九分三十秒東経百三十一度五十五分隠岐島ヲ西北八十五浬ニ在ル無人島」として島根県所属隠岐島司の所轄と決まった。そのとき「竹島」と正式な呼称が与えられた。しかい、中井の独占は認められなかった。そのためアシカの捕獲量は増大したようだ。
 日露戦後、アシカの皮、油の需要が減り、猟での実入りも少なくなった。しかし、資本投下した事業者は利益を確保するために量を求めて乱獲に走り、アシカの生態数を激変させた。やがて、竹島でのアシカ猟そのものが中断し、ふたたび静寂の島になっていった。

 現在、韓国がヘリポートや埠頭、警備隊宿舎などを建造し権益を主張しているが、一連の建造によって竹島のアシカは絶滅したといわれる。そのあいだ韓国政府は信じられないが、もっとも自然破壊に手に加える軍事的施設を建造しながら、「天然保護区指定」をしている。韓国という国は法を作って魂こめずの国であることは一連の人命無視の人災で象徴される。人の命を軽んじる国がアシカを配慮することなどない、ということの例証。竹島の自然を破壊しても“領土保全”を図ろうというのは、この国のバーバリズムだろう。
 これまで竹島問題を自然保護、エコロジーの立場から「政治」抜きで論じられることはなかったが、かつて希少種ニホンアシカの繁殖地でもあった自然の宝庫としての竹島を再生する論議があってもいいだろう。日韓の論争に自然保護の観点を加える必要はないだろうか。
 
 今日、中井養二郎のくわしい事跡を手軽るに読むことはできないようだ。筆者が中井の詳しい活動を知ったのは故・駒田信二さんの『近代奇人伝』に所載された評伝であった。絶版になって久しい旺文社文庫にそれがあった。かつて日本人なら誰でも廉価な文庫で中井伝を読むことができたのだが…… 。こうした評伝を再販することも「竹島の日」の活動とすべきだろう。

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