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「ククルゥクク・パロマ」のロラ・ベルトラン

「ククルゥクク・パロマ」のロラ・ベルトラン、生地での顕彰
ロラ・ベルトラン

 ラテン歌謡の定番曲「ククルゥクク・パロマ」。この歌をドラマチックな解釈で国際的な名歌として育てたことで知られるカンシオン・ランチェーラの名花ロラ・ベルトラン。その没後19年を命日、メキシコ北部州シナロアの生地クリアカンで顕彰の記念コンサートが3月26日から28日まで開かれた。

 「ククルゥクク・パロマ」はロラ以前に多くの女性歌手が取り上げてきた名曲だが、彼女の歌でいっきに国境を超えた。
 映画、メキシコ映画が黄金期を迎えた時期はロラの最盛期と重なり、スクリーンのなかで演唱したからだ。そして、ラテンアメリカ諸国でも親しまれ大衆化した。最近の「ククルゥクク・パロマ」の演唱も映画のなかにあった。スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督のアカデミー脚本賞など各国の映画祭で高い評価をうけた映画「トーク・トゥ・ハー」。そのなかでブラジルのカエターノ・ヴェローゾが歌った弾き語りの歌は素晴らしかった。彼の歌で名曲にはじめた接した世代もあるだろう。彼の演唱、その骨格もロラ様式を踏襲している。
 さて州都クリアカンで行なわれる記念コンサートでは地元の大学オーケストラが出演、地元の民俗舞踊団ロス・エルマノス・ロメロなども参加し祝祭的な催しとなった。同時に、ロラの遺児たちも審査委員に加わって、「ククルゥクク・パロマ」に特化した歌唱コンクールを行なわれた。なにやら「江差追分」に特化した北海道江差の民謡コンクールを思い出させる。メキシコではかくも「ククルゥクク~」が愛唱されているということだ。

 この機会にメキシコのランドマーク音楽、世界遺産にも登録されたマリアッチ。その歌唱をカンシンオン・ランチェーラというが、その女性歌唱の分野の創唱者といってもいい才能にルチャ・レイエスがいた。悲劇的な自死を迎えたルチャの後の不在を見事にうめたがロラ・ベルトランだった。メキシコ市のマリアッチの聖地といわれるガリバルディ広場には歴代のランチェーラ歌手の銅像が建っているが、女性歌手ではロラだけだ。

 メキシコ映画黄金期に歌手としての成長期を迎えたロラは50年代初頭から60年代、多くの映画に出演している。客演的に歌だけ披露するものも多いが女優として主要な役を演じている作品も多い。
 その共演者にはアルゼンチンから“エビータ”ことエヴァ・ペロンに追い出され失意のなかでメキシコにたどりつきブニュエル映画に出演することになるリベルタ・ラマルケ、フランス映画『フレンチ・カンカン』などにも主演したマリア・フェリックスなど往年の名優たちのリストのようなものだ。「ククルゥクク・パロマ」もそうした映画に主演し歌ったことによってラテン諸国のスクリーンでおなじみの歌となったのだ。全盛期、ロラは「カンシオン・ランチェーラの大使」といわれた。日本ではわ かりやすく「マリアッチの大使」と訳されていただろう。そうした異名が与えれたのも映画の力が大きい。
 今日ではロラの主演した映画が再上映されることはフィルムライブラリーでしかないが、その歌う映像は貴重な資料となっている。
 2008年、メキシコ・ワーナーから239曲を収録した20CDを収めた決定版の歌唱集が発売されている。
 (2015年4月記)

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