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シューマンも生誕200周年

シューマンも生誕200周年
  ~妻クララの献身も

 「トロイメライ」の簡素で愛らしい旋律を知らない人はいない。ロベルト・シューマン(1810~1856)の珠玉の名品。愛妻クララも当代の名ピアニストだった。
 シューマン芸術の清華ともいうべき『交響的練習曲作品13』『幻想曲ハ長調作品17』、そして「トロイメライ」を含む『子供の情景』といったピアノ曲集、あるいは『クライスレリアーナ』等々、優れた解釈者クララの存在があって古典となりえた、と思う。しかし、クララは演奏者である前に妻であり母親であった。四男四女を出産、その日常は多忙を極めた。否、彼女自身はピアニストとしての自負は強かったし、芸術家であろうとした。しかし、家庭が彼女の天賦を家に引き戻した。後年、シューマンは精神を病み、闘病生活を送る。そのあいだの家計一切を捻出するため演奏活動をつづけた。
 クララは音楽史上、女性として最初の本格的なプロのピアニストであった。彼女がピアノを弾かなければ家計は支えれなかった。
 今年、生誕二百周年を迎えシューマンの先駆性が再認識されている。シューマンの楽器は「頭脳」と言ったのは指揮者のサバリッシュ。ショパンのピアノに比較しての比喩。シューマンは楽譜に音が出るはずのない箇所にペダルを踏めと指示した。そういう記譜をした最初の作曲家。ジョン・ケージあたりのはるかな先達である。沈黙を万全な表現とするため、その直前の演奏まで傾注することを求めた。それに最初にこたえたのはクララだろう。夫唱婦随というが、シューマンの音楽の大半はクララの献身から発露した。生誕記念年の慶賀にクララへの称賛もあるべきだ。そして、シューマンの弟子となり、シューマン亡きあと、クララに〈愛〉以上の愛情で精神的に支えたブラームスの存在もまた忘れてはなるまい。シューマン自身は夭折の天才として悲劇的生涯を送ったが、妻や友には恵まれた幸せな音楽家であったと思う。 (2010年秋)

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