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ドミニカ共和国   メレンゲの祭典に国境を越える参加

中米・ドミニカ共和国
  メレンゲの祭典に国境を越える参加

 女子バレーの世界大会をテレビ観戦していた。バレーの試合を観るのは好きだけど、日本国内で開かれる国際大会はあまりにも日本びいきでテレビ局が盛んにそれを煽っているように思う。好ましい愛国主義はいいが、度が過ぎれば排他主義だ。
 その試合はドミニカ共和国のナショナル・チームとの熱戦だった。この大会に出場した国のなかで距離的にも精神的にももっとも遠い国だろう。だから、試合開始前にでもドミニカ共和国について少しぐらい視聴者に情報を与えるべきだと思った。
 いま筆者は、ドミニカ「共和国」と書いている。理由は、ドミニカと書くと、筆者の感覚でいうと同じカリブ海の島国ドミニカ国を指すからだ。英連邦の「共和国」よりさらに小さな国だ。昔、広島東洋カープに「共和国」の選手が入団した。そのときの記者会見だったか? 当の選手のテーブルの前に「ドミニカ国」の国旗がすえられたのだ。よく「ドミニカ国」の国旗があったと関心する一方、これは選手にとっては屈辱的なことだろう。その選手が憤慨して席を立ったとしても、それを批判することはできない。批判されるべきは球団だろうし、その場を設営した企業だろう。そう、日本ではことほど左様にドミニカについては無知である。
 無知だけでは済まない。かつて、戦後日本は中国大陸から引き上げてきた家もなければ仕事もない日本人の集団をろくな調査もせず、やっかい払いと「共和国」に移民させ、飢餓に陥れたことがあった。「共和国」についてなにもしらず、当時の大統領が東郷元帥の胸像を執務室に飾るほどの親日家だというようなうわさぐらいで日本政府は移民計画を進行させた結果の悲劇だった。その大統領が国内でどのような立場にあるのか、政局もまったく無視したのだ。
 バレーの、そう「共和国」選手の頑張りをテレビ観戦しながら、その試合会場から横溢する“日本”の過剰に辟易しなら、そんなことをつらつらと思い出していた。

 その頃、8月下旬だが、「共和国」の首都サントドミンゴでは「フェスティバル・デル・メレンゲ」が開催され、9月25、26日には同国のリゾート地プエルト・プラタで延べ30アーティストが参加して開かれることをしった。

 日本でメレンゲ、といえば洋菓子レシピとなるだろうが、ラテン音楽、特にカリブ地域の音楽を少し知る者なら濃密なリズムで構成されるメレンゲの音がたちまち立ち上ってくるはずだ。
 メレンゲはドミニカ共和国(以下、依怙地にならずドミニカと書く)の音楽の定番である。バチャータを加えて、ドミニカの車の両輪にあるような二大音楽だ。
 白人系及びメスティーソ層から多くの才能が出て人気を獲得しているバチャータより、同国の人口を反映してアフロ系音楽から発生したメレンゲが民族音楽的な位置に立っているのは当然の成り行きだ。
 同フェスティバルは同国観光省と砂糖キビから醸造される酒ロンのメーカー、ブルガル社とが共催とのことだが、同フェステバルの主旨を発表する記者会見の席上で、わざわざ「会場となるプエルト・プラタはブルガルの故郷だ。ドミニカ生まれのロンは優れた力をもつドミニカ音楽のように世界50カ国以上に輸出され愛好されている」とリップサービスも。
 メレンゲはまずハイチの黒人奴隷のあいだに生まれたメリングエから発祥した。砂糖黍畑で過酷な労働を強いられたアフリカ人たちのあいだの夜の慰安となった音楽から発生し、ドミニカに浸透して同じようにアフリカ系住民のなかで育まれメレンゲとなった。

 フェステバルの出演者選び、構成はメレンゲのビックバンドを率いるディオニ・フェルナンデスが、“メレンゲの王様”との偉名をもつホセイート・マテオらの協力を得て充実したステージを作った。

 ドミニカからカリブ周辺諸国に拡散したメレンゲは現在、アメリカへ流入しやいすということもあるが米国自治領プエルトリコのアーティスト、つまりオルガ・タニョン、エルビン・コステロたちの土俗的熱気がぬけた都市音楽となったメレンゲが国際市場に出ていて、日本に入ってくるメレンゲの主流でもある。しかし、ドミニカのより濃厚なメレンゲも聴かれるべきだろう。
 同フェスティバルにメレンゲ中興の祖、あるいは“ドミニカの声”とまでいわれたジョニー・ベンチューラの名がないのが寂しい。1990年代には同国の国会議員をつとめ、1998年から2002年まで首都サント・ドミンゴ市長を務めてステージから遠ざかることになったが、思えば今年75歳。すでに一線から退いているのだろう。余談だが、ベンチューラが所 属したドミニカ革命党(PRD)は社会主義インターに所属し、歌手ではなく政治家として日本訪問も実現している。
 ベンチューラ
同フェスティバルはそんなベンチューラのメレンゲを子守唄にして育った世代が大挙、出演した。  

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