スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

中米グァテマラのロック事情

中米グァテマラのロック事情

cosmopoli jet

 「ロックエスパニョーラ」との固有名詞があるぐらいスペイン語圏におけるロックはやはり現代の音として若者に支持されている。けれど日本ではラテンアメリカのロックをわざわざ聴かなくても歌詞が直入する和製版、あるいは認知度の高い英語圏ロックで充足しているのが現状だ。わずかにメキシコのマナ、カフェ・タクーバや、南米でいえばアルゼンチンのチャーリー・ガルシアやフット・バエスあたりの紹介が少し詳細か、という程度だ。
 これが小国となるとまったく見えないというのが現状だろう。
 先年、中米コスタリカのエディツが本誌(音楽雑誌『ラティーナ』)も企画に参加した中米音楽の〈現在〉を紹介するフェスティバルに参加して、そのクオリティーの高さで聴衆を驚かせたことがある。アートティックな創造 性に聴衆は関心したのだ。
 エディツはすでにコスタリカに及ばず中米ロック界を牽引する実力者で同国では、その影響下にあるグループが幾つか存在する。
 
 今回、紹介するグァテマラのコスモポリ・ジェトもまたエディツに近い音作りだ。
 マヤ系先住民共同体で育まれたマリンバ音楽や、メスティーソに愛好されているクンビア、メレゲン、近年のレゲトンとがやはり主流のグァテマラだが、都市の若者のなかには、そうした大衆性、あるいは非知性音楽を嫌悪して、アートとしてのロックで独自の表現世界を拡張しようという若者は長い内戦時代にも存在していたし、アルバムも発表している。しかし、そのアルバムの録音にグァテマラ国内の技術では限界があると、コスタリカに出かけてアーティストがいた。その背景にはエディツに代表されるコスタリカのクオリティーというものが首都グァテマラ・シティの知性派は知っていたということだ。
 コスモポリ・ジットもまたそうした流れのなかに位置するし、グループ名もいわゆる大衆性という主流に棹をさすような命名だろう。
 グァテマラ・シティ出身の大学生3人が2009年に結成し、2011年にアルバム・デビュー、以来、極めて小さな音楽市場のなかで奮闘してきたという印象がある。
 デビュー作は当時、アメリカのヒスパニック向けのラジオ局で紹介され、注目も浴びた。そんな彼らが最近、あたらしい曲「カハ・ネグラ(黒い箱)」を発表、堅実でアート性も高い彼らのオリジナリティーに触れ、紹介しようと思った。
 
 ギターとトップボイスのルイス・フェルナンド、シンセサイザーとセカンド・ボイスのミゲル・ポルティージョ、そしてサウンド・ミキサーのアレッホ・ポルティージョという構成でもわかるようにアルゼンチン音響派あたりの影響も大きし、歌をあくまで重視するという姿勢ではメキシコのモエニアあたりと の共通性も見出せる。そして、そこにはグァテマラ風土の濃厚なマヤ文化の香りといった固有性はまったく消滅し、ラテンアメリカの都市文化特有の共通性が中米の小国でもまた同じように見られるという光景をコスモポリ・ジットの連中は創造している。その意味では非常に興味深い活動を展開している。

 ラテンアメリカだからといって、表現者たちは土俗性を追求性する義務はいささかもないわけで、自由に創造性を拡張すればいい。ラテンアメリカ発信のコスモポリタン音楽を拡張するのもまた自由なのだ。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

上野清士

Author:上野清士
店長の最新著書

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。