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日本は世界中から「仮想水」を搾取する

日本は世界中から「仮想水」を搾取する

 日本は豊かな水に恵まれた国だが、水が不足しがちな国から大量に水を”搾取”している資源略奪国でもある。そうした搾取水を「仮想水」という。
 食糧自給率が40%に過ぎない日本は日々、各地の埠頭に食糧を満載した貨物船を横付けさせている。穀物を野菜を、そして果物、食肉、あるいは加工食品を……それらは間違いなく途上国の貴重な水が消費されて育成されたものが圧倒的に多いのだ。国連食糧農業機関(FAO)などは「仮想水」の大量消費国として批判しているが、日本はまったく知らん顔だ。
 食糧の輸出入とは「水」の大量移動であり、「水」の取引きを意味する。そのうち自給率の低さゆえ国際的な非難とともに「仮想水」の問題は顕在化してゆくだろう。
 「愛のない生活はしばしばあるけど、水のない生活は存在しない」と詩人オーデンは言ったらしい。
 石油に替わるエネルギー源はあっても命をはぐくむ水に替わるものはこの地球に存在しない。その水がいま地球の温暖化、自然の荒廃による生活環境の悪化、さらに水を商品としかみなさい多国籍企業によって占有されようとしているのだ。水道事業を儲けを生むうまみのある産業としかみなさい企業は当然、利益をもくろんで価格を上昇させる。それによって貧困家庭は飲料水も節約を強いられる。
 地球は水の星だ。しかし、97%が海水で飲める水はわずか3%。その水にたよって人類の歴史が営まれてきた。水は人類の共有財産であるべきだ。しかし、富の格差はそのまま水の消費の増減につながっている。日本でトイレで一回流す量の水で一日を過ごす途上国の人たちが何百万にもいることを認知すべきだ。
 こんな数字がある。食糧自給率を10%高めるには140億トンの水が必要! にわかに想像できない量だが、富士山の保有水量が約2億トンといわれるから、単純に富士山があと70も必要ということだ。つまり、日本は途上国の水を天文学的な量で間接的に消費しているということだ。
 途上国の貧しい農民は自分たちが煮炊きに使いたい水、水浴や洗濯に使いたい水を惜しみ節約している。何故か? 現金収入が欲しいから(これも生きるためだ)、かぎられた水を畠の作物のために使っている。乾季でも作物を枯らすわけにはいかないから地下水をくみ上げる。自分たちで消費する程度の栽培であれば水はけっして枯渇しない。しかし、現在のグロバリゼーションのシステムでは途上国の農民は輸出用の作物をいやでも手がけなければ暮らしていけない。地下水は枯渇するまでくみ上げられ、生活を脅かす。
 ハイチの首都ポルトープランスが1月、大地震で壊滅的に破壊された。もともと脆弱なインフラはズタズタに寸断された。現在、ハイチは乾季である。水が不足な季節のなかでの災害であった。上下水道はいったいどうなっているのか? 自衛隊の活動を伝えても被災者の日常光景はなかなか見えてこない。ハイチ出身のヒップホップのメジャー、ワイタクリフの代表曲「もし僕が大統領なら」の一節に、「シャワーを浴びるために、雨を待つしかない人々」とある。いま、その雨もなかなか降らない。いや、いま雨季のような雨が降ったら被災地は大変なことになる。
 デフレで日本の消費者がよりやすい食材を、と望むとき、輸出先の途上国の農民たちはさらに水の不足を憂える。そんな矛盾を日本の消費者のほとんどが無自覚でいる。そのうち大きなしっぺ返しがくるとも限らない。どんなカタチでか……神のみぞ知る、か……。

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