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変なヒト 2

変な人 2

 その人とは週に1度、かならず遭遇する。そう、私と同じ埼玉県南住民である。
 前の「変な人」もマクドナルドで遭遇したが、この新「変な人」も昨日、近くのヨーカー堂の閑散としたフードコートで出くわした。そうそう前の「変な人」と出合った東京駅八重洲口近くのマックは最近、閉店してしまった。終日、賑わっていた店だが、おそらく場所柄、テナント料が高かったはずで採算割れでもしたのだろう。そして、ヨーカー堂内店のマックもまた風前の灯である。近頃、ヨーカー堂の大閉店計画が発表されたが、そのなかに含まれているだろうと思われるほど客がない店だから、マックも共倒れする予感。「変な人」が出没するマックは潰れるのである。

 で、わが蕨が誇る「変な人」が何故、変かといえば、これはもう着衣に尽きる。春夏秋冬まったく変化がない。それはもうアッパレである。
 その着衣とは石坂浩二さん演じた角川映画版、金田一耕助探偵が常用していた昔風の登山帽というのだろうか、茶系統のヨレヨレ帽子を被り、総髪、櫛を入れたことがあるのかないのかという風情。金田一探偵がぼりぼりとやればフケがこぼれたが、わが町の金田一青年がボリボリやれば虱が飛びそうである。
 そう、年のころも金田一探偵と同世代だろう。立派な髭を鼻の下にたくわえているところは貫禄勝ちか。帽子の色を茶と書いたが元々、白地だったものが日々の手垢、汗染みで汚れ変色しての年期色だろう。ヨレ ヨレ半そでシャツ、これがまた、なんとも形容のしようのない色合いに染まっていて、胸元が大きくはだけている。たぶん、ボタンが失われて開いている感じ。そして、下半身は男性使用のズボン用語でいうところの“社会の窓”周辺からじわじわと隋円状に染み出したナニかがテカテカと発色し、やがて黒ずみをおびる。た半ズボン。バーミューダーパンツといった代物ではない。ゲゲの鬼太郎が履くような半ズボンで、靴は素足に踵を踏みつけスリッパ状。夏でも異様だが、この冬場ともなれば、その異様さはひときわ際立つ。
 最近、その変な人の歩幅は著しく狭く、回転が早い。前かがみの前傾姿勢。シャツを両腕で前を掻き合わせて闊歩する。変な人も十分、寒いと自覚しているわけだ。そんな彼をみていると地球温暖化は彼のような人には歓迎だろう。寒いと甘えてはいけないと、彼をみて襟を正す我輩。
 毎週月曜と木曜日が市内のゴミ出し日である。早朝、カラスのごとく、ポリ袋を突きながら検分して歩けば、たいてい一通りのセミセコハンの着衣が一揃い揃うはずだ。しかし、蕨の金田一青年は、どうもそうした、さもしい行為には及ばないらしい。彼なりのダンディズム、その高踏趣味がなんとも良いではないか。

 昨夜の金田一青年は大きな柱の影の4人席を人払いし占拠し、150円のMサイズのホットコーヒーを飲みながら、大きなガラス窓に自分自身を悦と投影していた。
 立ち際もあざやかにスクっと立ち、出口目指して最短距離で退場するさまが決まっている。
 それからしばらくして、女子高校生たちがワイワイとその席にすわった。その一人の子のスカートには、金田一青年の何かがじわじわと染み込んであろうか……。

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