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世界遺産にコロンビア・コスタ地方の民俗音楽登録バジェナートが登録*『百年の孤独』

世界遺産にコロンビア・コスタ地方の民俗音楽登録バジェナートが登録~パナマにも波及
 ガルシア=マルケスの『百年の孤独』のBGM音楽
アコ

 2014年4月、死去した20世紀後半のラテンアメリカ文学を象徴した作家ガルシア=マルケス。その文学的な営みはカリブ沿岸の架空の町マコンドを舞台に人間の悲喜劇を魔術的リアリズムの手法で独自の世界を築き、それを時代と国境を超越させて普遍化することだった。
 その象徴的作品は言わずと知れた『百年の孤独』だが、その物語のBGMはバジェナート、空気の吸い込み弁に微妙な仕掛けをしたアコーディオンの音色だった。
 『百年の~』にも「悪魔のアコーディオン弾き」としてバジェナードの歌い手であり稀代のアコーディオン弾きにして放浪の老音楽家が登場する。おそらくコロンビア音楽が普及していない日本にあっては、その老音楽家はマルケスが造形した架空の人物として読まれたのだろうが、現実に生き、多くの名作を残し、多くの作品を録音した実在のコロンビア音楽家であった。小説では物語に普遍性をもたせる意図からだろう、バジェナート音楽とは書いていないが、明らかに『百年の~』 を書きつづけた作家の頭のなかで響いていた音色はバジェナートであった。
 そのバジェナートが昨12月1日、ユネスコの無形文化遺産に2011年のメキシコのマリアッチについで登録された。ラテンアメリカ伝統音楽では4件目となる。生前のマルケスにこの朗報を伝えたかった。
 昨11月29日、アフリカ南西部ナミビアの首都ウィントフックで開催されたユネスコの会議に登録申請され、討議の末に決まったものだ。
 バジェナートが世界遺産に登録されたことで中米地峡の小国パナマでもおおきな話題となっている。日本ではしられていないがパナマの民族音楽もバジェナートなのだ。考えてみれば当たり前のことで、パナマ運河建設のため米国によって文字通り、コロンビアからもぎり取られた独立した国だから元々、その地にバジェナートが根付いていた。現在も多くのバジェナートを演奏するグループが活動し、アルバムのリリースも多い。
 パナマでいかにバジェナートが根付いているかを象徴する事例として、たとえばこの国の守護聖母はカリブ沿岸ポルト・ベイヨ、この町の創建はスペイン植民地時代の初期にまで遡り、その頃に建造された広壮な要塞はユネスコの世界遺産に登録され、その要塞の近くにある教会の“黒い聖母”がパナマの守護人だ。メキシコのグァダルーペの聖母のような存在である。そのグァダルーペの聖母への讃歌がマリアッチで歌われたりするように、パナマではバジェナートで敬愛されているのだ。
 毎年一回、首都パナマ・シティで国内外のバジェナート奏者たちが集まって大規模な演奏会が開かれる。同国出身で国際的に知られる歌手といえば、いうまでもなくサルサのルベン・ブラデスだが、彼がそのバジェナートの演奏会がある時期にパナマに滞在していれば表敬訪問し、老演奏家たちを称える。それほどパナマ民衆に根をおろしている音楽である。
 独裁者ノリエガ大統領の時代、米国の経済制裁で疲弊した時期、バジェナート奏者たちは北の隣国コスタ・リカでアルバム制作を同国の首都サン・ホセで行い母国に持ち帰って販売していた時代もあった。パナマでは、いかなる状況下でもバジェナートは民衆の心を掴んでいた。その意味ではさまざまな音楽が群雄割拠するコロンビア以上かもしれない。
 いま、世界遺産に登録されたことを享け、パナマの音楽家たちの活動が期待される。  

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