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署名アラカルト 6 アルドル的創作型 本谷有希子

署名アラカルト 6 アイドル的創作型
本谷

 今次芥川賞を受賞したということで、まずはおめでとう、との祝賀を兼ねて。
 ペンネームがひらがななら、まぁ、こんな署名もありだが、「本谷有希子」というペンネームであれば署名は必然的に創作型となる。
 「もとや」という下さがりの曲線が、「ゆきこ」の文字に重ねあわされ互いに融合している署名である。これは筆者、なかなかの工夫とおおいに悦にいっているものだと思う。たぶん、しばらくはささやかに悦に酔いながらしばらく、この署名を書きつづけるのだろう。
 今回は、あえて献呈先の名前の入った署名を選んだ。「鈴木サン」ということだからプライバシーの侵害にはなるまい。鈴木さんは、たしか日本で2番目に多い苗字であったし、わたしの可愛いガールフレンドのひとりも「鈴木ちゃん」だ。しかし、この「鈴木サン」、この署名本を手放したのだろうか? もしかしたら、芥川賞作家となったことを知って、処分するんじゃなかったとか思っているのではないだろうか? 本はこうして経巡り、本書は愛知県瀬戸市に住む方へと流れてゆくはずだ。一時的に私の手元にあった。『あの子の考えることは変』という中篇小説本なのだが、手元に滞在中、1時間足らずで読みきれた。若い女の子のつぶやきがそのまま表題となった中篇小説は、地方から東京に出てきて一人暮しをする若い女の子の「孤独」をいまどきの言葉づかい、小道具類多用して描いた一種の都会風俗小説。「孤独」と書いたが、この時代の若い子たちの孤独はけっこう猥雑で喧騒もあり、乱雑で多弁でもある色彩のなかに埋もれている。孤独は哲学の領域ではなく世相の範疇だといった気配があり、結末の死の気配も唐突に訪れる。たぶん、ある年代から上の人には、その「死の気配」も感じられないと思われるフレーズで進行する。というより、そもそも中高年はこの小説を手にしても、すぐ視線は停滞し、読了適わずになると思われる。
 私も立派な高齢者ではあるけれど、40歳年下の「鈴木ちゃん」のお陰で、こんな小説にもついていける“教育”をされた。芥川賞作品はまだ読んでいないが、まずは「鈴木ちゃん」の感想を聞いてから読むことにしよう。

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