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蝶の群れを踏みしめる メキシコのオオカバマグラの群生

モナルカチョウ保護区で数百万頭が乱舞
  モナルカ
  *蝶の数え方は、匹、羽も使われる。けれど学術用語としては「頭」が使われる。自然保護に関する記事でもあるので、ここでは「頭」を採用した。

 昨12月に「ホタルの爆発」、じつはヒカリコメツキムシの群舞であったのだけど。そのホタルとおもったひかり虫をばしばしと打ち避けたことを書いていたら、そういえばと思い出したのが、メキシコ・ミチョアカン州の松林で遭遇した360度、蝶だらけの奇景だった。1993年に次のような記事を書いていた。

   メキシコ・ミチョアカン州アンガンゲオ村の松林にあるモナルカチョウ(和名オオカバマグラ)の保護区ではいま、数百万頭が群生している。
 モナルカチョウは、同州とメキシコ州の特定の山間部、しかも決まった幾つかの松林(保護区)にだけ毎年10月頃に数百万頭が飛来する。ここで、一頭のメスから450あまりの卵が生み出され、孵化する。孵化したチョウや、その子や孫の世代が翌年4月半ばあたりから次々と飛び立ち、広大なメキシコの大地を 北上し、米国に入りロッキー山脈を越えてカナダまで飛んでゆく。その距離、約3000キロ!
 夏を北米で過ごしたチョウたちは半年後、その孫や曾孫世代がメキシコに戻ってきて、ふたたびおびただしい生と死のドラマを繰り返す。
 マナルカチョウ、それぞれの個体は北米とメキシコの航路はいつでも初飛行だ。それにも関わらず迷うことなく確実に行き交う。遺伝子に組み込まれた航路なのだろう。
 一つひとつの保護区には数十万頭には数十万が群生する。無数の松の枝が、チョウの群れの重さに耐えかねてしなっている。チョウたちは、飛翔に必要な体温を蓄えたものから次々と舞い上がる。花吹雪のように飛びかっているチョウは先に日を浴び、からだが暖められたグループだ。何千、何万という飛翔。ま るで森から湧き出し沸騰しているような壮絶な光景だ。
 しかし、いずれの保護区も周囲の森が無残に伐採され、農地に替わりつつある。
 メキシコ政府は、モナルカチョウ保護に気を配っているというが、周囲の農地を買い取って森林に再生するような抜本的な対策を採らない限り、保護区の自然はやがて農薬の散布などでますます破壊されていくばかりだろう。 

 この記事中に書かなかったが、保護区を取材中、わたしはオオカバマグラを無数に踏み殺していた。前に進むも後ろに下がるも周囲の地面にオオカバマグラが群れているのだった。立錐の余地もなく。踏み込むと飛翔する蝶もいるけど、逃げない蝶も多いのだ。たぶん、飛翔するための熱を蓄えていない個体、あるいは寿命が尽きかけている個体も多いわけで、それは靴底でグシャという感触もあたえずに地に沈んでゆく感じ。唯々諾々と踏み潰されてゆく。感触はないのだけど、なんともいえない不快感、やんわりと滑るような感覚。しばらく、奇妙奇天烈な記憶が留まってしまった。帰路は自分の足跡、罪障の痕をみたくないのでルートを変えたが、その分、蝶の“事故死”が増えたわけだが…。ビル街を歩いていたら、空から鉄枠つきの重い看板に頭からグシャと潰される感じなのかなぁ・・・と思ったりして、メキシコ・シティに戻ってから、安全対策も甘い商店街を歩いている間、しばらく車道近くを歩いたものだ。

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