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ベネズエラに南北アメリカ大陸の各先住民族の青年指導者たち結集(旧稿と現在)

ベネズエラに南北アメリカ大陸の各先住民族の青年指導者たち結集(旧稿と現在)
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 急激な原油価格の低下は産油国に経済的な混乱を引き起こし当該政府の屋台骨を揺るがしている。その顕著な国のひとつがアメリカ地域最大の産油国ベネズエラだろう。
 
 2011年8月に書いた記事に次のようなものがあった。原油価格1バレル130ドル前後を推移していた頃の話だ。現在の30ドル前後という相場の4倍以上の価格である。この時、ベネズエラは大いに潤っていた。原油の輸出によって稼いだ潤沢な外貨によって時の大統領ウーゴ・チャベスは「ボリバル革命」を宣言、キューバのカストロ政権を下支えし、中米の非産油国に援助を行なって、自らが唱える「革命」の同調国を増やしていた。しかし、その果実が実る前に資金が潰え去り、カリスマ性のあったチャベス大統領の死去、同国の「革命」はすっかり色あせた。所詮、金頼みの「革命」であったのかと思わずえない。
 ここに採録するのは、チャベス政権下、国庫が豊かであった時期の有意義であったことには相違ない会議についての報告である。残念ながら、この会議の現在を筆者は知らない。

 *    *    *
 
 8月7日、南米ベネズエラの首都カラカスで第四回インドアメリカ先住民青年ボリビアーノ会議が3日間の予定で行なわれた。
 同会議に南北アメリカ諸国18カ国の代表も参加し、総数400人に及ぶ大規模なものとなった。ベネズエラには約54万の先住民が隣国と接する辺境部を中心に暮らしている。
 1992年のコロンブス「新大陸」到達500周年、そして翌93年には国連が「国際先住民年」を制定、さまざまな取組みが行なわれた。中米グァテマラのマヤ系先住民出身の人権活動家リゴベルタ・メンチュウさんがノーベル平和賞を受賞するなど大いに盛り上った。多くの国で先住民の国会議員が誕生するなど、先住民自らが声を上げて国の対先住民政策が改善された。
 しかし、500年の負の遺産はあまりにも大きく先住民の人権状況はいまなお厳しい。カラカスの会議でも飢えないための食糧問題、居住地域の安全保障、消滅の危機にある伝統文化・習慣の復権・回復、そして尊重など先住民が生き延びるための基本的で緊急を要する問題が討議された。
 「国際先住民年」から18年目となるが南北アメリカ諸国の先住民を巡る状況は改善したとはいいがたい。こうしたなかでベネズエラが率先して会議を主催できるのもウーゴ・チャベス大統領の指導力に負うところが大きい。同大統領自身、「自分の血のなかにはアフリカの血も先住民の血も流れている。アメリカ人そのものが自分である」と公言する。
 豊かな石油の輸出によって得られた外貨を基盤にして、民衆のための国づくりを進める同国だが、先住民人権運動でも主導的な役割を担おうという意志表示を感じさせる国際会議であった。
 先住民文化の遺産を尊重し保全・継承するという仕事ではメキシコが一歩進んだ成果をあげてきた。しかし、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟して以来、米国産の補助金に守られた廉価な農産物の流入によって同国先住民の貧困化が進んだ。小規模・零細の先住民農民は経済のグロバリゼーションの最初の被害者であった。
 経済の市場主義を「カジノ経済」と批判するチャベス大統領が模索する先住民の人権状況の改善とはいかなるものか・・・正直、まだ見えない。同大統領の主導によって16世紀、スペイン征服軍に対し抵抗した先住民指導者のひとりグアイカイプロ(?~1568)の国家的英雄の座すえた。そして紙幣にもその肖像を刷り込んだ。ラテンアメリカ諸国の紙幣にはそうした先住民英雄像が散見する。しかし、生身の先住民たちは、紙幣の像ほどには尊重されてない。チャベス政権の「革命」とは、理念より実効だが、「国際先住民年」以来の停滞を克服できるのだろうか。

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