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署名アラカルト №9 ソン・ギジョン(孫基禎) ’ベルリン五輪マラソン金メダリスト

署名アラカルト №9 ソン・ギジョン
インド 009

 時どき思いがけない署名(本)が入る。この連載では主たる興味として個性的な署名しか扱わないので、まっとうな筆跡署名は取り上げない。その意味では、ソン・ギジョン氏の署名は元来、本連載に馴染まないかも知れない。しかし、ハングルでソン・ギジョンと記されているのではなく、漢字で「孫基禎」と記されていることに拘(こだわ)ってみた。
 朝鮮が日本の植民地であった時期、ナチのオリンピックとわれた1936年ベルリン大会に「日本代表」として参加したソン選手は、マラソン競技で日本に金メダルをもたらした。
 母語・母字としてのハングルを奪われていた時代、ソン選手の優勝は朝鮮民族におおきな励ましとなったことはいうまでもない。そして、当時ソウルで民族新聞を自任していた「東亜日報」は、表彰台のソン選手のランニングシャツにあった日章旗を白く塗りつぶした写真を掲載した。それは朝鮮総督府の統治に対する抵抗、「独立」活動として弾圧された。同新聞の関係者は逮捕され、新聞は停刊された。
 ここに掲げた署名は、1988年、ソウル五輪を前に自ら書き下ろした自伝『ああ月桂冠に涙』に添付されていた写真にあったものだ。日本での発売の際、関係者に贈呈したと思われる同書に添えられたものだ。ハングルではなく、「孫基禎」という滑らかな署名である。解放後、ソン氏はハングルでの生活に戻ったわけだが、日本で書かれたであろう署名は漢字であった。そのことの意味をさまざまに解釈できるだろうが、ソン氏の思いに届くわけではない。

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