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ローリング・ストーンズ、ハバナ公演 キューバ、政治・経済だけでなく「文化」そのもの変革期

キューバ、政治・経済だけでなく「文化」そのもの変革期
 ~3月下旬、ハバナのビックイベント。チェ・ゲバラの孫も参加
オラ・ハバナ

 ビートルズとともに世界のポップス界に多大な影響を与えた英国のローリング・ストーンズ(以下、ストーンズ)が3月25日、ハバナで初のコンサートを開くというニュースはラテン圏だけでなく、世界中のメディアに取り上げられた。ビートルズ解散後、最大のビックアーティストのハバナ入りはただ音楽史において意味をもつだけではなく、キューバの文化史、そして政治史の文脈で検証するならカリブ海域で名実ともに「冷戦」が終結した象徴性をもつという意味で注目された。

 ビートルズやストーンズの全盛期、世界は冷戦の真っ只中にあった。中国では文化大革命の時代で、「ビートルズを知らない紅衛兵」という言葉も生まれた。キューバもまた英語圏のロックを商業主義的な退廃音楽と忌避していた時期が確かにあった。しかし、目と鼻の先にある米国フロリダ半島から聴こえてくる音楽を塞ぐすべはなかったし、革命以前のハバナはラテン諸国にあって、もっとも英語文化を受容してきた首都であった。
 キューバ革命の英雄チェ・ゲバラは、アフリカ諸国での内戦を指導、歴戦した後、ハバナに戻る前にチェコのプラハで長い休息を取っているが、そこでビートルズを親しく聴いていた事実がある。当然、そこではビートルズ共に聴こえてきたであろうストーンズも聴いていたはずだ。当時のチェコはいわゆる“プラハの春”の訪れを準備していた時期で東欧諸国にあってユーゴスラビアとともに西側文化をリアルタイムで享受していた時代だった。そのゲバラが去った後、ソ連の戦車によって1968年、“プラハの春”は圧殺された。
 1990年代に入るとキューバ国内にあっては、クラシック系の演奏家たちが独自の解釈してビートルズ音楽を取り上げアルバムも作成してきたし、ハバナにはジョン・レノンの銅像まで建てられた。この銅像の除幕式にはフィデル・カストロ前議長も参列している。しかし、独自のラテン音楽世界に充足するキューバではじっさいのところ英語圏ポップスと接しなくてもさしたる不満もなかっただろう。ただ表現の自由という問題からみれば音楽活動の相互交流は保証されるべきだ。
 今年2月、南米チリからアメリカ・ツアーを開始して大きな話題となったストーンズだったが、当初、ハバナ公演の予定は明らかにされていなかった。おそらく水面下で交渉があったのだろう。不首尾に終われば、そこに何事もなかったかのように無視される世界があったということだ。
 現在のキューバ市民の所得からすればストーンズ公演に聴衆があつまるとは思えない。政府が資金を提供するか、あるいはストーンズが採算を無視して破格のギャランティーで歴史的象徴性を選択したかのどちらかだろう。おそらく後者だろう。現に公演は無料でキューバだけでなく、周辺諸国からの聴衆を含め約50万が参加した空前の規模になった。ストーンズたちも、そうした規模になることを予想したのだろう総量500万トンの資材を持ち込んで臨んだ。

 先月、カストロ政権はローマ法王とロシア正教会大主教との歴史的和解の場をハバナに提供し、世界の宗教界を驚かせたばかりだ。西欧と東欧のキリスト世界の和解と融和が演出されたのだ。また、今回のストーンズ公演に先駆けて21、22日に米大リーグ、タンバベイ・レイズとキューバ選抜チームとの親善試合が行なわれる。フロリダ州タンバ市に本拠をおくチームだ。タンバ市は、州都マイアミについでキューバ系市民が多く住む町だ。その試合はただ親善試合であるというだけではなく、フロリダ州に多くする反カストロ派のキューバ系米国人との融和も意図されているということだ。その試合はハバナを初訪問するオバマ大統領も観戦する予定だが、その一連の記念イベントの仕上げのようにストーンズ公演が組まれた。

 コンサート余談となるが、ゲバラの孫、現在米国に住むマルティン・ゲバラが急遽帰国、コンサートに参加している。少年時代、ロックに夢中になり、「偏向思想」に染まっていると非難されていた彼は米国に去った。ゲバラの冒険的な知的好奇心は子世代ではなく孫世代に受けつかがれたのかも知れない。
 ストーンズは「オーラ・ハバナ」と題した公演のためわざわざロゴを作成した。
レングア
 以前から使われていたミック・ジャガーの唇と舌のデフォルメにキューバの国旗をあしらったものだが、彼らの相変わらずの前傾ぶりに感心する。すでにミックは72歳、キース・リチャードも同齢、ドラムのちゃーりー・ワッツに至っては74である。ハバナのライブ録画を見る限り、まだまだ枯れていない。ロックの「世界遺産」として顕彰したい、3人だ。ロン・ウッドはオリジナルメンバーでないので筆者の評価は低いのだが、その彼にしても68歳。ハバナ公演の模様はDVD化される予定。そのなかでハバナ公演にまつわる多くの挿話が語れるはずだ。

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