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中米ホンジュラス 『WENDETI  NAGAIRA』

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 いま、中米ホンジュラスで評判になっている構想のおおきな歌、そしてビデオクリップがある。『WENDETI NAGAIRA』。
 同国カリブ沿岸に点在した共同体をもつアフロ系ガリフナ族の言葉で「私の大地はとても美しい」の意。作詞作曲、そして歌のはマヌ・マルティネス。

 ホンジュラス、といっても、にわかにイメージできる日本人は少ないと思う。サッカー・ファンならリオ五輪では中米カリブ地域から勝ち上がり、アジアの強豪・韓国から勝点をとり、ブラジルに粉砕された国とイメージされているかも知れない。中米地峡諸国のなかではコスタリカと並ぶ強豪である。両国のナショナルチームにはいつもアフロ系選手が躍動している。コスタリカのアフロ系選手はジャマイカなど西インド諸島から流れついた祖先をもつが、ホンジュラスのアフロ系選手はスペイン植民地時代の初期から、そこで暮らすことになったガリフナ族が大半だろう。そのガリフナ族は古いアフリカ西海岸地方の音楽を移植し、ホンジュラス・コスタ地方の伝統音楽としてプンタを伝承させた。この国の音楽の大きな滋養である。『WENDETI NAGAIRA』にも反映されている。

 マヌ・マルティネスは、2014年、同国制作された劇映画『ウナ・ロカ・ナビダ・カトラチャ』で音楽を担当したことで一躍、全国区の人気者になった。喜劇で、庶民の姿をクリスマスという一年でいちばん家族・親族の出入りが多い季節を舞台に、楽あれば苦もある生活の機微を描いた佳作。クリスマス映画ということもあって中米諸国ではお馴染み定番クリスマスソングが随所に挿入されていて、それだけで音のアルバムといった貴重な作品なのだ。
 ホンジュラスで「ご当地」映画としてヒットした。その映画を制作したシン・フロンテーラス・スタジオが『WENDETI~』のビデオ・クリップを制作した。日本ではほとんど知られることはないが、ホンジュラスでも劇場用映画が制作されていて、この9月にはスペイン大使館の広報センターである市谷のセルバンテス文化センターで3本のホンジュラス映画が公開される予定だ。

 マヤ系先住民が多い内陸部、先住民と西欧人との混血ラディーノ、そして沿岸部のアフロ系ガリフナ族。さまざまな血が交じり合い、多様な文化が共存し、自然の恵み豊かな国、それがわがホンジュラスという祖国賛歌が『WENDETI~』のコンセプトだ。
 1992年、コロンブスの「新世界」到達500周年を記念した年、メキシコ、というよりラテンポップス界を代表するルイス・ミゲルが壮大な構想で歌い上げた『アメリカ、アメリカ』があった。欧米目線でない、「新世界」からの自己主張、宣言ともいえるドラマチックな気宇壮大な歌で当時、スペイン語圏諸国で繰り返し流されていた。
 ミゲルがうたった「アメリカ」は無論、南北アメリカ世界への賛歌であった。しかし、それはすべて西欧音階で書かれ、アメリカ先住民やアフロ系音楽への配慮は残念ながらなかった。マルティネスはガリフナの民俗音楽、マヤ系の音色を交えることによって一曲のなかに多様な要素を盛り込むことに成功した。
 マヤ系先住民を象徴する縦笛の独奏、オーケストラの弦楽合奏はスペイン文化を象徴し、ガリフナ族の民族音楽プンタがフィスタの高揚感を演出し、ポップスへの変調、さらにジャズ性まで加味し違和感なく流麗かつリズミカルに流れる。
 カリブ沿岸の町セイバの浜、紺碧の海と空を悠久のホリゾントをステージとして、肌の色が違う音楽家が50人以上集まって演奏するビデオは圧巻だ。『WENDETI~』は近年、中米諸国が生んだ作品として筆頭にあげたいものだ。 

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