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署名アラカルト №19 加藤卓男(六代目幸兵衛) アラビア文字の署名

 署名アラカルト №19 加藤卓男(六代目幸兵衛)
  アラビア文字の署名
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 美濃・瀬戸……日本陶芸の有数の名産地。その地で代々、染付け・青磁等を至芸としてきた家系から出てきた才能、と紹介するのは陶芸に少し詳しい人ならなにを今更となるのだろう。そう幸兵衛窯六代目を継承した名陶匠である。
 しかし、六代目はそれまでの幸兵衛窯では焼かれなかったペルシャのラスター彩の再現に精力を傾注した執念の匠であった。署名にそれが象徴されていることはいうまでもない。大文字は「卓」だが、その横にアラビア文字が記されている。六代目署名の特徴である。そこに自らの作風を語る「ペルシャ陶器と織部」が仮託されているわけだ。
 アラビア文字で署名にする人は、おそらくアラビア文学や文化の専門家にいるかも知れないが 、名門陶家に生を受け、人間国宝とまでなった陶芸家にはこの人をおいて存在しない。六代目以降も、しばらく出ないのではないかと思う。その意味で貴重な署名である。
 ラスター彩とはペルシャの地で9世紀から13世紀に至る400年間に作られ、モンゴルの侵入によって破壊され、技術の継承も失われ地上から姿から消した。その再現を目指したのだから、その再興の道が狭隘であったのは必然だろう。その狭隘の道には繰り返されたペルシャ行があった。その旅日記は地元の中日新聞に連載されたりしていた。手馴れたアラビア文字の署名もそうした旅の成果の一つかも知れない。
 ラスター彩の再興といっても、ただ遺物を真似ただけではない。この人の言葉を引用しよう……
 「ペルシアのラスター彩ですと“空間の恐怖”といいますか、すきまなくびっしりと描かれる。で、日本的な間といいますか、空間を生かしたラスター彩をやりたいと」
 六代目の仕事からあらためて日本工人の才能を素晴らしさを確認させられる。

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