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花もつ女たち №72 有吉佐和子 (小説家*日本 1931~1984)

有吉佐和子(小説家*日本 1931~1984)
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 本連載では小説家をほとんど扱ってこなかった。紹介するからには著作の大半を読破してと・・・・・・私なりのこだわり、それなりの誠実さでアプローチしようと思えば思うほど、取り上げずらくなった。というわけで、職能的なカテゴリーのなかで、もっとも紹介が希薄な「作家」群となってしまった。

 無論、その類い稀な才能を畏敬していた。しかし、十分に読んだとはいえないので躊躇してきた。今回、思い切って取り上げようと思ったのは、実娘・有吉玉青さんの自伝的エッセイ『身がわり』を読んだからだ。玉青さんの聡明な文章力が母・佐和子の影響を受けているものとするなら、やはり取り上げておこうと思った。
 私の個人的な嗜好だが、いわゆる芸道モノの小説を好んでいる。何故かその分野での秀作が女性作家の手になるものが多い。有吉作品目録中にも『一の糸』という素晴らしい長編小説がある。
 有吉二八歳という若さで明治・大正・昭和三代にわたる女の系譜を描いた『紀ノ川』という名編がある。有吉文学とは、伝統をしっかり押さえながら、作家の旺盛な好奇心は現代社会の矛盾、あるいは未来の人間社会を真摯に憂慮する視点もゆるがせなかった。そのための勉強はもの凄い労力を傾注させたと思う。たとえば、当時、ボケとしか認識されていなかった認知症を『恍惚の人』という小説を描くことで日本人共有の認識とさせた。日本における「沈黙の春」といえるルポ『複合汚染』という仕事も遺した。そのルポなどは、たとえば鎌田慧さんの仕事と比較しても遜色ない。こうして、逐一、取り上げていったらきりがないほど有吉の作品は質量ともに豊かであることは衆人が認めるところだ。
 戦後昭和を代表する作家として文学史上に大きな座を占めてゆくだろう。そして、玉青さんの自伝を通して、愛すべき母親であったことも確認されたのがなりより嬉しい。

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