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メキシコ音楽事情⑦ 3枚のCDのなかの昔のメキシコ

『メキシコのアルパ/ラ・バンバ』演奏 カント・デ・アメリカ
 メキシコの5月は乾季と雨季が微妙な綾をみせる。聖母信仰の強いこの国では欠かせない母の日のある季節。学校ではお母さんを迎え学芸会が開かれる。「ラ・バンバ」は子どもが踊る定番曲。この国では幼稚園時代から民族舞踊は必携のもの。伝統音楽の音色は子ども時代にたっぷり体感する。
 「ラ・バンバ」の発祥地ベラクルスはアステカ帝国を征服したエルナン・コルテス一行が最初に大陸に取り付いた地だ。以来、外国の「文化」が絶えず陸揚げされる。音楽の流入もここからはじまった。カント・デ・アメリカ(「アメリカの歌」という芸名。ここでいうアメリカは南北アメリカ全域を指す)もこの地で育った男性デュオ。復弦を持つレキント・ハローチャという小ぶりのギターと、可動性のハープ、アルパ・ハローチャとニ声だけで多彩な音楽を堪能させてくれる。土俗と洗練のせめぎあいと、絶妙なバランスでベラクルスの大気を感じさせてくれて、懐かしい。

『メキシコのマリンバ/太陽の国のリズム』 演奏 ナンダヤバ
 メキシコ南部オアハカ州から中米グァテマラまでマリンバは地に根づいた音となっていて、南限はニカラグア。考古学でいうところのメソアメリカ圏がそのままマリンバ圏。マリンバに欠かせないローズウッドが容易に手に入る自然と関係がある。日本で生産されるマリンバの木材は中米ホンジュラスから輸入されている。
 アルバムは「チアパスのソン・メドレー」ではじまる。メキシコ最南部州の高原で生まれた民謡のエッセンス集。しかし、本作の白眉は「南のメドレー」で演奏されるオアハカ州の民謡「ラ・サンドゥンガ」「ラ・ジョローナ」あたり。ここでは歌がなく演奏だけで、うかがうことはできないが、メキシコ女性の熱情、悲嘆、諦観などを象徴的に歌いこんで国民的歌謡となっている。演奏のナンダヤバはメキシコ大衆音楽のなかにマリンバが取り込まれた1950~60年代の音色を伝える。

『メキシコのレキント・ギター/魅惑のボレロ』 演奏 ロス・トレス・アミーゴス
 3は西語で「トレス」と発音。トリオと命名せず、西語に比重を掛けて民族性を強調。ロス・パンチョスが世界市場を開拓した1950~60年代に多くのトリオがメキシコに誕生した。トレス・アミーゴスもその一つ。現在も代替わりをくり返し現役である。
 トリオ音楽に欠かせないレキント・ギターは高音弦の優美というもので、美声のトップボイスとの掛け合いのなかで色彩感と表現領域を練り上げてきた。しかし、歌もレキントも、ハーモニーもほぼ40年前に完成した。それはもう動かしがたく堅牢なもので、本作はそれを、あざといほどよく聴かせてくれる。

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