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メキシコ音楽事情 ⑧ フリエタ・ベネガスのMTVライブ

メキシコ音楽事情 ⑧ フリエタ・ベネガスのMTVライブ
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メキシコ北部の国境の町ティファナ生まれのフリエタ・ベネガス。
 いまや歌手として作曲家としてメキシコ・ロック界の女王という感じだが、3月6日にはラテン・ポップス界のスターであることが名実ともに認められるMTVアンプラグドに登場した。そのライブ盤も6月10日にメキシコ及び米国、中南米諸国、スペインでの発売が決定した。15曲を収録する。
 フリエタの才能が広く認められるきっかけになったのは2006年のアルバム『リモン・イ・サル』がラテン・グラミー賞の主要部門で複数受賞したことにあるが、メキシコではそれ以前から独特の世界をもつロックシンガーとして根強いファンが存在していた。彼女がアコーディオンを弾きながら演奏する姿はメキシコではお馴染の光景だった。そして、持ち歌はすべて彼女のオリジナルで、映画音楽や演劇の舞台音楽も手がけてきた。
 『リモン・イ・サル』はすでにメキシコ、米国、ラテンアメリカ諸国で総計100万枚近いセールスを記録している。米国と祖国アルゼンチンを行き来きしながら活動しているグスタボ・サンタオラージャが制作に関わった『アキ』(1997)も彼女の代表作の1枚。それ以来グスタボとの仕事がつづいている。『アキ』は自前のグループを解散してソロ活動をはじめた第1作だった。
 ティファナ出身だから、アコーディオンが欠かせないノルテーニョの影響が下地にあることは確かだ。しかし、庶民性を誇りとするノルテーニョ音楽への傾斜から無縁で、彼女の世界は独自な醒めた雰囲気をもつ。同じアコーディオンでもノルテーニョやグルペーラのアコーディオン弾きはほとんどボタン式キーのクロマティックを使う。音の歯切れの良さを追求し、フロアダンスの伴奏も要請される音楽としてクロマティックの方が都合が良いからだ。クンビア、コロンビアやパナマのバジェナードもほとんどクロマティック。しかし、フリエタはクロマティゥクと鍵盤式アコーディオンを相互交流させ使い分ける。特にフリエタの少々、けだるい歌唱法、そこから生じる世界を拡張するのに残響、あるいは震音を効果的に使える鍵盤式が都合がよいということだろうが、ラテンのロッカーであるからクロマティックの疾走感も要求する。つまり、アコーディオンに固執するロッカーとしてメキシコ民族派とでも呼びたい。
 おそらく作曲家としての創作も、手練のアコーディオンから導き出されているだろう。MTVでもアコーディオンを抱えて独自のフリエタ・ワールドに聴衆に誘い込んだ。
 たぶん彼女の声の質は現在のメキシコ、特に都会に住む若いインテリたちの憂鬱とか、所在なさといったものを表現するのに似つかわしいものだ。フリエタとともに都会の若者に根強い人気のある女性ロッカー、エリィ・ゲラアの声の質とも似ている。日本でもデビュー・アルバムがソニーから出たメキシコの若い才能ナタリア・ラフォルカデなどはフリエタの影響を強く受けた女の子だった。
 MTVアンプラグドのセールスも兼ねた大西洋をまたぐコンサートも予定されている。日本ではほとんど知られていない才能だが、この機会に是非、聴いて欲しい。
          
 

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